さて…意外と意外と意外と反響のあるこの阿呆コーナーですが(笑
今回は走りに関連するコトでは無く、峠での面白エピソードの一つを紹介致しましょう。
当時「峠の走り屋」だった私ですが、峠でのライディングを楽しむだけでは無く、色々な遊び(?)の様なコトもやっていたんですよね。
基本的に峠と言う物は、めったに人も車も通らない様な秘境にあるのが普通ですので、お店等は全く無いんですが。
そんな所でお腹が減ったりした場合、長い山道を降りて人里に出るかもしくは行き倒れるかの選択肢しか無いんですよ(笑
なので、食べ物&飲み物があれば、それはもう奪い合いで阿鼻叫喚の地獄絵図となるのが目に見えてます。
(車なんて誰も持っていない時代でしたので、食料の輸送にも限界があったので…)
もちろんメットインのあるスクーターもありましたし、カバンにでも食料を入れてくれば良いだけの話ですが…
当時の走り屋は何よりも「格好優先」でしたので、峠への移動中でもバッグを背負ったりして「自分のスタイル」のバランスが崩れるコトを良しとしなかったんですよ(汗
なのでいくらお腹が空こうが、コンビニの袋をブラ下げて走行するのはプライドが許さなかった…そんな変なコダワリがあったんです(笑
(メットインには工具&パーツ&ガソリンが満載ですしね)
そんなある日、いつもの様に峠を楽しんでいると、小腹が空き始めたんですよね。
昼過ぎから何時間も走り続けているのですから当然ですね。…若いって素敵(ぉ
「あーお腹減ったからそろそろ山降りるかな?」と私が言ったのですが、そのときメンバーの一人が
「あ。俺、ここ来る前にスタンドで生卵パック貰ってたんだ」
と言う人が居るではありませんか。
さすがにカバンに入れたまま放置されていたので非常に生ぬるく、生で飲み込む阿呆は居ませんでしたけれどね(汗
なので結局、「どうにかして調理しよう」と言う事になり、早速調理道具を探して山狩りをする事に…
もうサバイバル&アウトドア気分が全開ですよ(爆
そんなこんなで、仲間の一人がガケ下の小川から…ベコベコに凹んでとっても汚いフライパンを拾って来ました。
「入れ物」があるのと無いのでは大違いですよね〜
まあそんなモノを探すために、動きにくい皮ツナギを着たまま命を懸けてガケ下に降りていった彼に乾杯です(笑
入れ物は見つかったので、次は「水」と「火」ですね。
火はライターでおこせば良いですが、ゆで玉子を作るにはどうしても水が必要です。
…こんな峠で水がある所といえば…当然ガケ下の小川しか無いワケですが。
当然のごとく、先ほど命を賭してフライパンを調達してきた彼に白羽の矢が立ち、もう一度命を懸けて水を汲みに逝って貰いましたがね。
もうあたりは薄暗く、フライパン片手に小川までの坂道を降りるのもつらい状況でしたが、彼はなんとか任務を達成し無事帰還しました。
しかし
ガケ上まで登って来た時には
水なんてこぼれまくってほとんど残ってませんでしたが。
…これではダメダメですね(笑
無事任務を達成した彼にねぎらいと罵倒の言葉をあびせつつ、次の方法を考えましたよ。
結局、「峠の上り口の民家に水を貰いに行こう」という事に。
最初からそうすれば良かった、というのは(以下略
で、水調達部隊が帰って来るまでに、現場チームは焚き火をし、火を用意しておく事になりました。
もちろん火種は
ガソリンですけれどね。
再度山狩りをし、適当な焚き木を集め、即席のカマドを作りガソリンをぶっ掛けそしてライターで点火です。
当 然 カ マ ド 大 炎 上。
一気にファイアーしてしまい、急いで砂をぶっかけましたが。
こういうことには慣れっこなのですぐ収まりましたがね…
ちなみに峠とは言っても、待避所の奥にある砂の広場の様な所なので、危険はなかったかと(汗
そして何とか火を安定させ、後は水調達部隊が帰ってくるのを待つだけに。
しばらくして無事に民家のオバチャンにペットボトルごと水を頂いてきた彼等が帰還しました。
早速フライパンに水を入れ、玉子も叩き込み煮込む事に…
コレを煮込んでいる最中、
「民家の近くまで降りるのなら何か買ってきて貰えば良かったかな?」
などと思っていたのは秘密ですがね(汗
ソレをいっちゃあ楽しいアウトドア峠玉子が台無しなので…
さっさと山降りて何か食べれば良かった、というのは(略
で…何とか焚き火の火力も安定し、フライパンもグツグツ煮えてきました。
そのうち…もう薄暗い夕闇の中、焚き火の中煮える玉子に皆が注目し、一種異様な
黒ミサの様な雰囲気になってましたが。
ここまでいらん苦労をしたのですから、何としてもゆで玉子を食べないと収まりがつきませんしね。
そんなこんなで…やっと茹で上がりかな?と思い、先程の水調達部隊の一人がフライパンを火から下ろそうと…した所
懸命な読者様はもう展開がお分かりでしょうが
フライパン大転倒。
彼がカマドにけつまづき
今までの苦労が全て台無しでしたが。
散乱するフライパンや焚き木、空しく転がる玉子を見ていると猛烈に悲しくなって来ましたがね…
しかし…これでは当然収まらないので
叫びながらカラを剥き始めましたよ。
みんな地面に転がった玉子を手に取り
…だって食べないともったいないじゃあないですか(汗
不思議な味がしましたがねぇ…
外見は…真っ黒なフライパンで茹でたので何か煤けている玉子でしたが、中身は綺麗に黄身が片寄った素敵なゆで玉子でしたよ…
しかし一番の問題は
その場には10人ほど居合わせたので、一人1個しかゆで卵が食べられなかった、と言う事ですが。
その後、さっさと山降りて現代文明に見合った食事を取りましたがね…
さて、今回のお話はこれにておしまいです。
峠の雰囲気…といいますか、当時は本当にアットホームでゆったり出来る天国の様な場所だったんですよね。
バイクに限らず、何でも出来る雰囲気もありましたし。
峠ゆで玉子の他にも、峠焼き芋とか峠焼肉とかもやりましたが…それは別の機会にお話しましょうかね(笑
あ、食べ物ばかりじゃ無いですよ?峠オーバーホールとか峠パンツマンとかもやりましたし(謎
そんな私の峠人生の思い出(?)の一角でした。
ただの阿呆じゃねえか、といったクレームは受け付けませんのでよろしくお願い致しますね(汗
教訓:物事はツメが甘いと台無し