2014年10月12日 SS1/32mile KLS戦



さてさて…今回は地元SS第2戦、当然のごとく他には出場していないのでこれが今年度最後のSSに

なってしまいますが、今回もトラブルシュートの為の出走なので読む価値は無いです、と最初に記して

おきますね_| ̄|○

…一応、前回判明した部分は修理してはいますよ(汗


で、早速ですが結果から申しますと、






リ ー ド ブ ロ ッ ク を 新 品 交 換 し て も



前 回 最 後 の 4.230 に 届 く ど こ ろ か



パ ワ ー が 全 然 回 復 し て い な か っ た






と言う訳でして、前回の最後に台湾製リードを投入してパワー感が回復したと思ったのは

全くの見当違いでした、という事で当然タイム更新もありませんでしたよ(泣

…とはいえ、前回最後にはタイムそのものは上がっていたのに、今回走らせると全くもって1発目から

前回最後の走行時のパワー感が無く、一体何がおかしいのかこれまた意味不明になってしまいました。


私これでも、前回最後の走行の状態を維持したまま、「盲点であったリードブロック」をTZM用の新品に

交換して今回の走行に挑んだんですよ。

普段ならば走行後のエンジン内部をチェックする為、SSから帰ってからすぐに腰上をバラして色々と

チェックするのですが、前回は状態維持の為にそれすら我慢して行わず、他の変更点は全く無しで

本気でTZMリードのみの変更で今回のSSでタイムを取ってみたのにこの始末です_| ̄|○


TZMリード 台湾リードと今回リフレッシュのTZMリードですが…

形状だけ見るとこのマニとAF18ケースに対しては台湾リードの方が適しているとは思えますが。

だからといって以前は真っ当にパワーを出せていたTZMリードの新品がここまでヘボいとは予想外でしたね_| ̄|○

…ちなみにコレ、はぶしょうN氏からの借り物だったりしますが(爆

と、実はN氏に借りたTZMリードだったりしますが、我がマシンに合わせる為のスタッファー加工等は

最低限行っており、以前の物と同等の形状をこしらえたのですが。

実際の一発目のアタックでは、これまたチャンバーも以前使っていたkozzy製をあえて装着してみての

アタックだったのですが、この時点で前回よりもはるかにパワー感が薄れており、4秒6台というあくびが

出てしまうタイムしか出なかったのでこの時点ですでに狼狽しきってました_| ̄|○


で、次にはいつものBSCチャンバーに戻すもその時点でのタイムはそれでも4秒3台、満足出来るレベルの

物ではなかったので、次には台湾マニ&リードに戻してみましたがそれでもタイムはほぼ変わらないという

本当に意味不明の状況に陥ってしまい、自分でももう訳が分からなくなってしまってやる気0になりましたよ…


せめてこの時点で、台湾リードにすればある程度でも変化が出るとか、前回最後のアタックと同じ位の

パワーとタイムが出ていればまだ納得も行ったのですが、それも全く無くかなり「遅い」という始末でして。

この時点でアタックは5本を消化していましたが、最後の1本は駆動系構成を昔の物にして走ってみると

多少はマシでしたが、もはやタイムを見る気にもならず未だにいくつだったのか知りません(泣


とまあ、そんな訳でこれ以上私のあれこれを記しても面白くも何ともありませんから、ココから先は先日の

SSにて私が自分のマシンを投げた後に手伝った、はぶしょうN氏のマシンの顛末でも記しておきますね。



久々復帰のはぶしょうN氏 今回は数年ぶりのSS復帰となるはぶしょうN氏ですね。

エントリー名は私がエンジン作りを手伝っている事もあり、今回からは「SS ねぎはぶWORKS」としています。

で、車体はそのまんまですがエンジン自体はN氏の要望を受けて腰下から私がほぼ全部作り直していますよ。

…色々無茶な注文もありましたがなんとか形にはなった、という事で(笑



で、N氏のエンジンですがベースとなる3YKは変わりませんが、コンロッドを90oの仕様に変更しつつ、

腰上、腰下も今までの圧縮ぱつぱつ仕様ではなく、スムーズな高効率を目指すというコンセプトにて

考え直しており、下手すればノーマルよりも1次圧縮が低いという仕様になってますね。


リードブロックの位置がミソ こちらはリードブロックをあてがった腰下ですが、クランクウェブの直前で混合気を吸う、というノーマルの構成をあえて崩しています。

このリードブロックが何なのか私は知らないのですが、この巨大な物だと開口部直後はクランクウェブにギリギリになるので、それを回避しつつ新規に掘っているダイレクトポートへの混合気の流れもスムーズになる様な設計ですね。

…が、そのおかげで「下駄」の類は大変な事になっていますが、今ある物でなんとかするというN氏の意向により実験的な仕様が完成した、という事で(爆



他のところもこんな感じで、N氏がSSを休止してる間に色々お勉強した事や、私からも色々と

アドバイスした部分なんかをごった煮にして色々とやったエンジンになっていますね。

しかし、出来る事ならリモコンJOG系の腰下をベースにしたいという意見もありまして、私の手持ちのモノを

提供しようかとも思ったのですが、復帰一発目では自分で馴染んでいる3YKで行きたいという事なので

「いつも通り」のチョイスになったという。


で、肝心の走行に関しては全くもってセットが上手く行かずまともに走れなかったので4秒4台でしたが(汗

慣らしもロクに行えなかったのでまともに走れる、というのはいくらなんでも贅沢なのですが…ある程度は

私もサポートしましたが以前とはチャンバーが同じ物にも関わらず、全然特性やら何やらが全く異なる物に

なっており、チャンバーそのものの特性をしっかり見極めるという目的すら達せなかったという_| ̄|○


特に、いくらジェットを下げても全開域でカブって(?)しまうという症状が最後まで消えず、アクセルを少しでも

ラフに開けると途端にゴボゴボいって失火するという謎の現象が起こってしまいまして。

MJは最終的に90番まで下げてもそれが直らず、私が乗って走ってもみましたがアクセルワークでも

全く改善しなかったので、これはキャブが原因では無いのでは、といった所でタイムアップでした…


とはいえ、途中ではN氏がPWK用のジェットニードルを2本しか持ってないのが判明したので極限まで

薄くなるN68IとかN68Jとかを貸しても改善せず、100番以下のMJも無かったのでこれまた私の物を

使っても駄目で…後でふと点火時期はどうなってるのかな、とふと思いインナーローターベースを見ると






ベースがねじ切れる位一杯に最大進角だった






というモノを発見したりもしましたが、N氏いわく「WR出した辺りはこれが一番調子良かったから」

いう事でしたが、7〜8年前に10000rpm程度近辺を計測した時には、調整幅の遅角側から3割程度の位置で

10000rpm/BTDC20℃だった事を思い出せば、知らぬ間に長穴加工されているベース位置も鑑みると

ヤバい進角であった事は想像に難くありませんが…これを全部遅角させて走ってみれば良かったかなと

思いましたがすでにアフターフェスティバルでした(笑


それともう一つ、今回のエンジンは完全新規作成なので、駆動系においても全く色気を出さずにFPマシンで

使っている純正流用品ちょい改のみの構成を入れてください、とお願いしておいたのですが。

上記の全開領域トラブルの他にも、「発進時にアクセルを大きく開けるとがくっと失速する」といった

これまたキャブが悪そうなトラブルまで抱えていたので乗るの大変でしたが、これは私が乗ると何とか

アクセルワークでカバー出来たのでそこまで気にしてなかったのですが…


後でN氏に駆動系の構成を伺ってみると、確かに最初に指示した通りに構成はFP仕様のままであり

センタースプリングとWRのみをSS用に調整していただけだったはずなのですが





「あ、そういえばトルクカムをSS用の派手なやつに交換しておいたわ」






と、後になって非常に意味不明な事をおっしゃられまくりまして_| ̄|○

…私は確かに色気出さんで下さい、と言ったはずなのですが意思の疎通が上手く行ってなかったという

非常〜に「いつも通り」のパターンも炸裂して久々のSSを終えました、という事で(爆


これ、発進の不具合はほぼ間違いなくトルクカムだった気がしますけれどね_| ̄|○

N氏いわく、さすがに加速中は以前のWR出してた仕様と比べてもパワーが無い、とは言ってたので

そんな特殊なトルクカムなんて今の仕様では使えないのは明確な気がしてなりませぬ(泣



とまあ、N氏のエンジンもなんとか1日の「運用」には耐えてくれた、という事で私もほっと一息では

あるのですが、加工的に無茶はしていませんが構成で色々無理のあるN氏エンジン、その日の内に

腰上バラして預かって検分する事にしましたよ。

そもそもこのエンジン、JOGの純正シリンダーにライブDioピストンという何もメリットの無い仕様に

なっていまして…脆いライブDio用ピストンリングでは持つかどうかも不安だったんですよ(汗

なので「一発目」の実動テストという事もあり、排気ポート弦長はボア径の72%で「落差」もたっぷりと

いう街乗りレベルの加工でしかありませんでしたが…それでも10o伸ばしたコンロッドが多少は

ピストンの斜め具合をカバーしてくれるとはいえ、私としてはずっと不安でたまらなかったという_| ̄|○


で、ここでさくっと公開してみますが、これがN氏エンジンのシリンダーです。


N氏のライトチューンシリンダー(笑 テストピースなので排気ポートはかなりおとなしく、ライブリングが一発で飛ばない様に面取りも細心の注意を払ってでっかく付けてますね。

掃気ポートもタイミングは遅めですが、幅はかなり取っている上に第1第2の間のリブはかなりギリギリまで攻めているので、そこだけアタリがやばいです(汗

これやると高回転高負荷エンジンの場合、このリブ箇所だけリングが極端に減っていくのですがSS仕様であればやむなしなんですよね…



で、自分でこういった加工をされる方であれば排気ポートの面取り付けすぎだろ!と思われるかもしれませんが

40φ程度のボア径であればこの位やっても不十分な事もありますし、当然のごとくリング側にもマメに

面取りを付けてはいますがそれでも不安なんですよね。


…そこまでしてライブDioピストンとリングを使う意図は何よ?と問われるとコレしかなかったから、という他

無いんですが(笑

最初は他の車種のピストンを当て込んでおり、たまたまその車種の純正品が手持ちに無くて社外品のモノを

使って段取りした所、JOGシリンダーに「12φピストンピン」で使えるのはこれしかない、という分析になったので

後でその車種の純正品を発注したのですが…





純正品と社外品で



「リング合口ピンの位置」がほんのわずかに



違っていた罠 _| ̄|○





…という非常につまらないオチでして(泣

私もその流用予定ピストン、純正品そのものではなかったので多少の差異はあるかなと思っては

いましたが、ピン上ピン下程度ならばどうとでもなるのでそれで段取りと設計を行ったのですがまさか

リング合口ピンの位置が嫌がらせの様に異なっているとは全く誤算でしたよ。

なので、その流用車種の純正ピストンのリングの合口は、本当にギリギリの所でJOGシリンダーの

第2掃気ポートに掛かってしまうというデンジャラスさになり、やむなく第2候補であったライブDio系の

ピストンとリングを使う、という事になったんですね。


…もちろん、その流用予定車種のピストンを1本リング仕様とし、シリンダーをひねってリングの合口部分と

第2掃気ポートの位置を回避させる、という縦型JOGの様な手段も試みましたがそれでも無理でした(泣

こんなことならば耐久性を我慢してでも、90oコンロッド仕様でも10φピストンピン仕様のクランクシャフトを

段取れば良かった、と思ってももう手遅れでしたよ。

が、短距離走なのである程度運用が成功すればパーツのランニングコストも低く抑える事が出来ますし、

ある意味面白い組み合わせだと思いますしね。


で、さっきの写真ですが、排気ポートの左側には線上の強いアタリが付いています。

これはこの仕様のみではなく、N氏が運用している横型JOG系エンジンだとどうしてもこうなりがちなのですが

自然空冷の為、横型シリンダーには冷却風が効率良く当たらない為に、熱を持つ排気ポートの真横だけが

こうなってしまいがちなんですよね。(※写ってませんが右側にも線はあります)

ピストンクリアランスは純正品ベースという事で6/100程度ですが、もちっと余裕見ても良いかなとも。


しかしこれらも、今となってはJOG用のキタコ製レーシングピストンが廃盤になっている為に、以前の様な

どかんと派手なシリンダー作りそのものが行えないので仕方が無いですし、実はN氏がSS休止する寸前には

欧州品等も使って腰上をこしらえてみたりもしたのですが、やはりキタコ仕様にはかなわないという結果でして。

そのパーツが無ければ同じ手法を取れない、というのはやむなしですがそれでもまた新たにやってみよう、と

いったN氏のコンセプトもありますから、しばらくこの仕様でN氏共々進めてみるつもりです。


とまあ、自分のネタが無いので久々復帰のはぶしょうN氏の顛末になってしまいましたが、ある意味では

この方はネタには事欠かないので助かりました、という(笑

ひょっとして私、自分で走らずこの人のメカだけやってた方が良いのかも、なんて思ったりもしたのは秘(略


九州からお越しのバッドヘッド氏のDio 最後にこれまたついでの様で申し訳ありませんが、SBクラスにエントリーされている「バッドヘッド」氏のスーパーDioです。

前回の写真がイマイチだったので今回は改めてしっかりした写真でご紹介です(汗

AF18系エンジンベースの50x44.6といった88ccで定番構成ですが、各部は自身で研究されて構成されており好タイムを叩かれていますね。

…私、個人的にどうしてもAF18系エンジン車に興味が向いてしまうのはもはや言うまでも(以下略



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