2008年10月26日 SS1/32mile KLS戦




※今回は自分の事しか書いていませんのでレポートをお望みの方はスルーして下さいませ。




さてさて…

今回は久々のSSになりますが、早くも個人的には今年度最後の4度目のSS参戦記になります。

6月の岡山戦にて、秘密兵器が炸裂する以前の問題だった我がマシン、この4ヶ月の内に各部をきちんと

チェック&O/Hし、もう自分で考えうる限りの万全の状態に仕上げていますよ(汗


前回、岡山戦ではキタコピストン投入+適正クリアランスホーニングにて、2年間悩まされたリングの

合口欠けは全く出なかったものの、それが起こらない事により逆にコンロッドの曲がりが発覚してしまい、

今期に腰下を組んだばかりのエンジンを泣く泣くまた分解し、新品のクランクをぶち込んでいますよ。


他には、6月にキタコ1本リングピストンに合わせて作製したすぺさるヘッド、これも巣穴増大により

たった1回で捨てるハメになりましたんで、これもまた1から製作しています(泣

とはいってももうヘッドの設計や加工は自家製で10個や20個では済まない位作製してますんで、もう

お手の物といっても良いのでこれは別に苦にならなかったですが。


が、1本リングのピストンの場合、圧縮を逃がさない為のリングが1本な為に、計算上の「圧縮比」は2本リングと

同等でも実際のリングからの「吹き抜け」は多い方向性になっていると前回気付いたので、今回は圧縮比的には

「8.7:1」程度まで向上させています。

最近は高回転型狙いで限界まで圧縮比を上げていなかった私ですが、今回はある程度の圧縮比を

稼いでいるという、私にしては珍しいセットになっていますね(笑

ちなみに他の方々の圧縮比を逆算してももちろんこれ以上に高いですけど(以下略


そしてこれも岡山戦にてちとおかしなフィーリングを受けた駆動系、コチラも前から後ろまで全てを新規に

作り直しており、しかも無茶をせずある程度無難な方向性で作製しています。

おそらくエンジンがまともになったであろう今回のエンジンに対し、セッティングをリセットするという意味合いでも

これは大事だったので…クラッチシューまで新品を購入し、街乗り車にくっつけてずーっと慣らしをして

アタリ取るハメになってましたが_| ̄|○


さらに新兵器…になるかどうかは分かりませんが、データ取りの計測器としてこういうモノをくっつけました↓


パーカルのラップコムVX-2000 カート等ではおなじみですが、パーカルのラップコンピューター、VX-2000です。

これは本来、FNとかに装着して使おうかと思っていたのですが、SSマシンにはスピードメーターが欲しかったのでストック品のコレをくっつけましたよ…

ラップデータが取れないので超高級スピード&タコメーターになっていますが、オプション付ければ単体で一応50mのタイムも測れそうなので。

…予算の関係で今回はそれは付けてませんが(汗


変更点としては最後にもう一つ、精度の良い高回転追従型のタイミングライトを導入したので、各CDIの

点火時期をマメに計測し、グラフとか作ってデータを取り、計算上のピストンスピード等に対してある程度

理想の点火時期を生み出せるCDIを装着し、ピンクローターのベース調整にて点火時期を最良に近い所に

セットしています。


ちなみに「10000rpmでBTDC20°」としています。これより上は上手く測れない上に人間の目では

目視が難しいので、10000rpmより回ってもこれ以上進角しないCDIを選んでくっつけていますよ(笑


とまあこんな風に、4ヶ月のうちに完全な修理と共に各部のリセットを行いました。

が、ピストンやシリンダー、ポート関係は一切変更していませんね。

これは変更すると特性ががらっと変わってしまうと言う事で、あえてそのまんまで置いています。


で、いつも通りテストは一切無し…と言いたい所ですが、今回はさすがにクランクの慣らしもあるので

1回のみ試走の機会が出来、50mの全開走行を数回は行えたという、いつもではありえないテストが

行えましたよ(爆

なのでキャブと駆動系はレース前にある程度あわせられているという、個人的にはかなり有利な状態で

レースに臨む事が出来ています。

…いつもエンジン作成→ぶっつけレースの方がコイツ頭おかしいんじゃないかってのは置い(以下略



で。いきなり当日になりますが(笑

最初に言っておきますが、今回も様々な所からの遠征があり、多数のエントリーを集めたKLS戦なんですが

正直今回は、「後が無い」という自分自身との戦いにのみ集中していたので、ほとんど他人様の傾向には

触れられませんのでご了承下さいませ。

ぶっちゃけ、自分だけのチラシの裏ですんで「レースレポート」をご期待の方はスルーして下さいな。

他車の写真やマシン紹介すらありませんので。


さて…まずは天候なんですが、これは曇りの予報だったのでなんとかなるだろうと思っていると、実際には

大外れで早朝から雨がモロに降り出し、路面は言うまでも無く水溜りアリの完全ウェットです(泣

とはいえこれは何を言っても始まらないのですが…

あまりに自分へのプレッシャーがでかく、いつも持ち歩いている雨用泥除けを忘れてしまう程のLVでしたよ_| ̄|○


今期は前年度の自身のベストタイム、4.093を更新出来ていませんし…

タイム的には毎年上り調子で行かないと、JOGの時の様になってはメンタル面でヤられてしまいますからね。

エンジンが完調である(はず)以上、今回の雨の中で自己ベストを叩いておかないと来年度に向けてのテンションが

上がらない事は間違い無いので、本当に水際での背水の陣になります…(滝汗



で、天候は全く回復せず、雨の降る中で1本目のアタックが始まりますが…案の定、誰も走り出しません(汗

が、私の場合は雨なんぞ関係無いマシン設計ですんで勢いよくコースインし、誰も走っていない中をテストレーンで

一発試走し、いつも通り基本データを取る為に一番乗りで計測レーンに並びましたが。



一番乗りの計測(笑 さすがに一番乗りってのは気持ちが良いですが、これでスタートで失敗しようものならかなり恥ずかし(略

が、そこは勝手知ったる地元の雨路面、アクセルを大きく開ける事は出来ませんがデリケートなスタートをかまします。

ですが駆動系を結構下が出せる様なシステムに変更したおかげで、フロントの接地感は完全に0な上に…

ハタから見ても分からないホイルスピンをかましてたのは秘密(略


…これじゃ何の為にリヤサスをくっつけてるのか分かりませんが、その位路面温度は低くて濡れていたと言う事で。

2m程度とはいえ、タイヤが空転するのは嫌なモンですよ。写真では分かりづらいですがフロントも一瞬ですが

浮いてますし…この後はN氏ライディングになっちまってま(以下略

浮くとか滑るってのはパワーが無駄になり「前に進まない」ので、ストリート仕様でもポンポンフロントが浮く様な

車両って私好みじゃなかったり。


そして1発目のタイムはまずまずの4.227と。

我がマシンでの「速い」タイムではありませんが、まずまずの安定打が1発目で出たと言う事で、精神的には

ずいぶん楽になりましたよ。


この時点での変速回転数は13600rpm、しかし何故か回りすぎで力が落ちてくる感覚が残ったので即座にWRを

重くし、試走では13300rpm程度の変速回転数になったのでこれで2回目のアタックに望みます。


が…2回目のアタックでは雨がさらに激しくなり、1度目より上手くスタート出来ずにタイムは大差無い4.277

変速回転数は目論見通り13300rpmですが、スタート多少しくじってもタイムが同等と言う事は、今回は点火時期の

変更もあってパワーバンドが若干下に移行しているのでは、と分析しました。



で、3回目のアタックに向けてWRはそのままで、点火時期を5°程度進め、試走で13300rpm変速を行える

事を確認し、点火時期がこの時点でBTDC25°/10000rpmとちと進角気味になっていますがこっちの方が

トルクがあると判断し3回目のアタックに望み、タイムはちょっとUPの4.217と。


ですがこれも、明確で派手なホイルスピンはしないものの、悪天候のおかげでドライと同じ様なスタートは

いくら私のマシンでも無理なので多少のロスがあり、大差ナシのタイムになってしまっています…_| ̄|○

この時点で午前中の計測は終わり、エンジン各部もチェックしますが特にトラブルは出ていなさそうで、

気温が低い為に1本走る前には十二分に暖気もしていたのでプラグの焼けもかりっと問題無く、セッティング

のみに頭を使える事は分かっているので安心して弁当喰いました(爆



ほいでもって午後のアタック開始、4回目アタックですが。

今度はWRもわずかに重くし、それでも何故か13200rpm変速なのでこの辺が一番おいしいパワーバンドだと

把握し、他は一切換えずアタックに向かい、相変わらずスタートロスが多少ありましたが加速感は今日一番の

モノを感じ、タイムが出てみるとやはり予想通りの4.105!

とりあえずコンマ1以上のタイムアップ、そして今期のベストタイム4.153も見事更新しています。


…さすがにココに来て今期のベスト更新となれば、もう目指す所はひとつしか無いと考え、いつも以上に

極力冷静にモノを考えて…理由はともかく今日はいつもよりパワーバンドが低くなっていると言う点について

突っ込んでみる事にし、WRをまた重くして、13000rpmジャストの変速で試走してみる事に。


するとこれが意外と意外と加速感があり、通常より500rpmも低い所でパワーが出ているのは何でだろうと

思いつつ、そのまま5回目のアタックに望みます。

が、この辺りから午前中に走っていない人が大挙して練習&計測レーンに集中し、すさまじい混雑具合になって

きたので、ろくにセッティングも出来なくなってきましたが(汗


そして迎えた5回目のアタック、相変わらず雨は止まず路面は酷いですが、細心の注意を払ってのスタートで

ホイルスピンもわずかに押さえ、これまた今日一番の加速感で40m付近まで走行しますが






なんとゴール寸前で






変速回転数が500rpm近くドロップした罠





…50mの内に2、3回タコメーターを見るクセのある私でも、こんな症状はさすがに初めてですよ_| ̄|○

これはあくまで、「回転数のドロップ」であって、速度や加速感が落ちた訳では無いのでそのまま問題無く

走り切る事は出来たのですが。


実はこれの原因は駆動系構成だと直感したのですが、アレの加工で、「設定した所より大きく変速幅を使った」と

言う事なんですが…4回目のアタックでメーター読み69km/h出ていたのが、5回目ではなんと72km/h出て

いたので、変速幅をちょっと多く使ったのは間違いありませんからね(謎

(もちろん最大変速とかハイスピードプーリー使い切りって意味じゃないですよ)


で、こりゃー非常〜に微妙な感覚のアタックだったなと思い、何気にタイムを見に行くと

















4.077















何 故 に  



自 己 ベ ス ト 更 新 で す か













いや、これはこれで嬉しいんですけどね(汗

100%直ったかどうか分からないエンジンでの今年度最終戦、しかも雨の中の5回目のアタックで

なんか変な感覚の出た走行で今年度ベスト更新な上、自己ベスト更新って何ですかコレ_| ̄|○


とまあ、それでも自己ベストが出たのであれば良いですし、過去には4秒0台ってのは私まぐれで一度しか出せて

いないので、これでも一応復活と言って良いと思いますよ(泣



さて、ここで残すのは最後の6回目アタックのみ。

ここまで来たのであれば、いくら悪条件とはいえ狙うは3秒台しかありません。

もう一度プラグをチェックしエンジンの吹けもチェックし駆動系も全部清掃し、万全を持って最後のアタックへ

挑みます。

セッティングの変更は点火時期のみ、3°程戻したので、BTDC22°/10000rpm程度になっていますが…

練習レーンの試走では、相変わらず50m付近での回転ドロップがありましたが「速度」は落ちていないので

このまま気合いと根性を持って最後のアタックに望みます。



そして狙うはもちろん3秒台、それ以外は要らない気合いでドライ路面ばりにスタートをかけると














このマシンを作ってから初めて



ハタ目から見ても絶対確実に分かる程の



蛇行+ホイールスッピーンをぶちかます私



_| ̄|○_| ̄|○













…路面がある程度マシになってきていたと判断し、濡れてるのに大きくアクセルを開けてしまったのが

モロに不味く大きく左右に尻を振ってしまい、リヤサス付きマシンとしては恥じるべきLVの大失敗を

かましてしまいましたよ(泣


気合いが入りすぎてライディングをしくじるなんて自分でも嫌になりますが、もちろんタイムは正直で

今日一番悪い4.330と…

ライディングにおいても安定を旨とする私としては非常に嫌な結果になってしまいましたね_| ̄|○

謎のメカニカルトラブルではなく、「人間の失敗」でせっかくのチャンスをフイにするとはどうしても

許せませんが、もうこれで6回アタックしてしまっているので今日の私と共に今期のSSも終了とあいなりました。



と言う訳で。


後ろから見てもやっぱしドラッグマシンには見えな(以下略 最後の最後でイレギュラー…ではなく凡ミスがあり納得は行きませんでしたが、エンジンも「普通」に安定し、やっとこさ丸2年間のトラブルだらけのレース展開から脱却出来た感を得られたのは嬉しいです。

くだらんトラブル、と言いますか、トラブルシュートが難解過ぎるモノって本当に嫌ですが、これもまた勉強になったと思えば安いモンですよ(笑

今期のベストタイムは4.077となり、自己ベスト更新にて終了です〜


…3秒台までは本当にあとわずかの所まで「2年かけて戻ってきた」とも言いますが(爆


そして最後に僚友N氏ですが…

今回はマシンは腰上を新規にしてやる気満点だったのですが、この悪天候では結局一度もアタック出来ず、

未出走に終わってしまいました。(…詳細は「はぶしょうのHP」でどーぞ)

ですがマスターズへは行くらしいので是非そちらでのWR更新を願いたい所ですね。

珍しい組み合わせ で、N氏は今回、REX POWER GT2号のライダーを務めまして。

これがいつものライダーさんよりさらに10kg軽量なN氏の果敢なライディングにより、自身の持つWRをさらに更新する事に(汗

ベストはなんとコンマ1近くWRを縮める4.050と。

SA-GTでもツナギが要りそうなタイムを叩き出しましたよ〜



…人間+装備込みの総重量としては約125kg程度となりますが、この重量でこのタイムはかなりの物かと

思いますよ。

ちなみに私の場合は総重量約114kgなので性能的には完全に負けてま(以下略



さて、とりあえずですが今回はレポートと言いますかチラシの裏はこれだけでご勘弁をば。

正直、他人様の動向をそこまで気に出来る精神状態では無かったんですよ…

もちろん表向きは明るく振舞ってましたが、自分自身へのプレッシャーはかなりの物があったと

言う事を今だからこそ書いておきますね_| ̄|○

雨の中一番乗りでアタックに出たのも勢いを付けるためですから…



で、本当に最後に余談なんですが。

いつぞやも確か、雨が降ったら皆走らないので私が「勝てる」かもしれないという事を書いたかと

思うのですが、今回も正にソレでして(笑

実質、SAのエントリーはわずか4台でしたが、その内2台は未出走で、私の他には遠征のPietaさんが

縦型一号氏のライディングにて2回アタックをされただけで、タイムでは私がSAクラス優勝なんですけど…


これがまた予想していた通り、











エントリーが5台以内なので



不成立扱いになり表彰なし_| ̄|○













…せーっかく「勝った」のに、ある意味予想通りとはいえこれはかなり凹みましたよ。

タイムはともかく、レースとしての勝ちは勝ちなんですから、表彰位は欲しかったですね。


で、ついでに余談も書いておきますと…

私がサス等を撤去せずに「雨でもそこそこ走れる」マシンに仕上げているというのは、こういう悪天候でも

楽しみたいから、ってのが一番なんですよ。

せっかくレースに出場して、リタイヤとかトラブル以外で走れないなんて勿体無いと思いますし、

棄権するなんてのは何より嫌いなので。


何より、乗ってて恐ろしすぎるマシンなんて「楽しくない」んですよ(笑

「頑張れば操れる激しいマシン」と「明らかに無茶苦茶な激しいマシン」とでは全く別物ですからね…


とまあ、今回も3秒台入りは出来なかったので大口を叩くのはやめてまた次回に期待と言う事にして

おきますが、3秒台入ったら本音出しますんで(謎



さてさて。

これで私の今期のSS1/32mile参戦はおしまいになります。

今期も前年に引き続き一発目からトラブルだらけで、何をやっても直らず壊すばかり、凡ミスによる

焼き付きなんかは当然一度も無いものの、最後の最後まで謎に足を引っ張られたシーズンでしたよ(泣

レースってのは基本的にまずお金が一番ですが、正直いくら無駄投資したか考えたくもありませんね。


ですがこれでもう無駄な破損トラブルとはオサラバ出来ると思いますし、ここから色々なチューン手法や

セッティングも行えると言う事になります(笑

さすがに2年間も毎レーストラブルではいいかげん嫌気もさしていましたが、こんな酷いトラブルシュートは

人生最大LVでしたね…


しかし、これにて来期からは上手いことマシン開発が進むと信じて締めくくりたいと思います。

色々と手法を考えてはいるのですが、やっとこさ実行に移せるって事ですし、ね〜

来期こそは3秒台突入を目指してさらに精進したいと思いますよ。


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