BTDC点火時期について その3 パワーの谷と点火時期



さて、今回は前回に引き続き、点火時期関連のお話を続けたいと思います。

具体的な「今現在の自分自身のエンジンの点火時期の把握」という事に関しては前コンテンツにて

ご紹介した通りですが、今回はそれが「点火時期としてどうなのか」といった事や、表題通り2stエンジンの

絶対的付加要素である「パワーの谷」やそれらとの関連性についてお話してみますね。


なお改めて多少補足しておきますが、ここで行われる「クランク角度での表記」は、ピストンが

上死点(TDC)にある状態を、「クランクシャフトの回転角度が0°」と表記するという事です。

単純にピストンが下死点(BDC)にあれば、クランクは180°回転しているという事になります。

その場合、表記としては「ATDCもしくはBTDC180°」となります。

このあたりはポートタイミング等を考える点においても必須なので、ご存知で無い方は勉強される事を

お奨め致しますね。

エンジンの仕組み等の理解において、ある程度のLVを超えるとどうしてもこの意味合いを理解する事が

必要になってきますので…


・いつもの目次


・燃焼圧力がピストンを叩く「クランク角度」


ではまず、基本中の基本となる、「混合気の燃焼による圧力波がピストンを叩く」といった

事柄について触れてみたいと思います。


これは皆さんもご存知の通り、シリンダー内にある混合気はピストン上昇と共に圧縮され、プラグが

点火され混合気に着火し混合気の燃焼が起こり、それにより発生する「燃焼圧力」がピストントップを叩いて

クランクを回転させる力になっていきます。

ピストンというものは、強くぶっ叩けばクランクは速く回りクランク軸での力も出ますが、その燃焼圧力が

「ピストンを叩くタイミング」って、一番無駄が無く効率が良くなるのはどういった状態の時だと思われますか?


これは、以前のコンテンツでも少し触れましたが、


「ピストンが上死点に達し、わずかに下降を始めた状態」


なんですよ。


基本的にはATDC10°辺りが理想だと言われていますね。

すでに下がっていこうとしているピストンを「押して」やるのが最良のタイミングで、これだと無駄な力も

要りませんし、上死点に達した瞬間にピストントップを叩くよりもはるかにロスが少なくなります。

まずはこれが「点火時期」を考えるにあたっての基本中の基本です。

点火時期調整とはこの一点の効率を追い求めるための調整だ、と言っても差し支えは無いかとも。


で、ピストンというものは「往復運動」をしているので、上死点および下死点においては、ほんのわずかの

時間ではありますが、「ストロークスピードとしては完全に0」になっており、「停止」しているんですよ。

なので、仮に上死点ぴったりにて燃焼圧力がピストンに到達した場合、完全停止しているピストンを

叩いてやって加速させる、といった動作になってしまい、これでは機械の動作としての効率が悪いんですね。

なので、わずかに上死点を過ぎATDCで加速し始めたピストンを「押してやる」といった燃焼圧力の

到達の「させ方」こそが、ピストンやクランクの動作としては一番効率が良くなる、という事になります。


ピストンスピードはTDC&BDCでは0になる



と、いつもの下手絵ですがこんなイメージになっていますね。

例えば、完全に停止している車両を「押す」のと、下り坂等で少しでも動いている車両を「押す」のとでは

「同じ力」を加えて押そうとするとしても、どちらがより加速させやすいでしょうか、といった感じですね。


「点火時期調整」というものは言葉尻だけ聞くと一体何の為に行っているのかを理解しづらい面も多少

あるかと思いますが、実際にはエンジン、というかクランクシャフトが効率良く力を出す為のとても大切な

要素を「セッティング」しているんですよ。

駆動系と同じで、エンジンパワー=クランクの仕事量が多くても駆動系がヘボいとリヤタイヤは強く速く

回らないですし、いくら燃焼圧力そのものが強大になっても、効率良くピストンを叩けないのでは

クランクシャフトには「力」は伝わりませんからね。


そして、これは前コンテンツにてご説明した通りですが、仮にストローク41.4oでコンロッド長80oの

縦型Dio系エンジンの場合だと、ATDC10°点というのはストローク量にしてわずか「0.4o」ピストンが

下降した位置になります。

なので、実際には寸法で現すと結構シビアになるんですよね。クランク角度でモノを考える、という事は

そういう事である、という事も改めて認識して頂けると幸いです。


次に、そのATDC10°点付近で「燃焼圧力をピストンに到達させる」といった目的の為の調整の手法ですが、

これはまず自身のエンジンにくっついているCDIの点火時期をきっちり把握しないと全くお話になりません。

点火時期コンテンツその2の最初で書いた様に、現状が何度か分からないのに正確な進角も遅角も無い

いう、至極当然の理由になります(笑

なので、ここから先は少なくともご自身の車両もしくはCDIの「ある程度正確な」点火時期のグラフを手元に

用意されている事を前提としてお話を進めて行きますのでご了承下さい。


なおサービスマニュアル表記では、通常はパワーバンドでは無い回転域の点火時期(角度)が表記されていますが

これはあくまで「実走行には関係ない部分の点火時期」であり、仮に2000rpm/BTDC10°といった

表記でも、実際に6〜7000rpmまで回転数を上げるとかなり進角している、といったエンジンもありますから

サービスマニュアル表記のみをアテにするのでは「実際の調整に役に立つ点火時期」を把握する事は絶対に

出来ない、という事もご留意下さい。


あれはあくまで「アイドリング近辺の点火時期のみを測り、CDIがきちんと動いているかどうか」

のみを「トラブルシュート」するだけの参考数値です。

ぶっちゃけると、アイドリングの点火時期だけ測っても高回転の点火時期がぶっ壊れていたりする事もあるので

アイドリング点火時期が規定値だったとしても安心は出来無いのですよね…


ではまず、ここでも例題のエンジンとして、縦型のAF18系Dioエンジンを教材とします。

このエンジンだと、基本的に点火時期そのものは「一律BTDC17°程度」だとお考え下さい。

実際には6000〜7000rpmにて1°程度の遅角はありますが、この程度はまずは誤差と考えておいて下さいな(汗

最初は全回転域において一律固定点火時期の仕様で無いと、初歩の理論も理解しづらくなるので。

他車種ではアイドリング時の2000rpm等では数度遅角している物もあったりしますが、基本的には

「実際の走行中に使わない回転域」はあまり気にしてもしょうがないのでとりあえず無視してもOKです。


さて、ではこの車両で、前述の様にATDC10°付近でピストンに燃焼圧力が到達するのを「一つの理想」と

するのであれば、実際には火炎伝播速度を把握したりしなければならないのでさすがにこの辺は割愛させて

頂きますね。

と言いますか、この辺を出したとしても実際の点火時期調整にははなかなか反映しづらい上、私も皆さんに

完璧にご説明出来る程に理解が進んでいる訳ではありませんので(汗


では皆さんもご存知の様に、「プラグで着火されて燃焼が始まる時期」と、「燃え広がった燃焼圧力が

ピストントップを叩く時期」というのは結構な開きがある、と言いますか時間が掛かるモノなんですが、まずは

これを絵でイメージしてみましょう。


着火→燃焼の流れとクランク角度



クランク角度はかなりオーバーに書いてますが、左から順番に、点火→燃焼→圧力到達、といった感じになります。

混合気の燃焼圧力というものは「燃え広がるスピードが存在する」という事は前コンテンツにてご紹介した

通りなので、点火時期、すなわち「プラグに火が飛ぶ瞬間」というものは、上死点前でないと燃焼圧力が

効率の良い段階でピストンを叩くのに「間に合わない」とも言えるんですよ。


そして、図の一番左の点火時期が仮に前述の「BTDC17°」とすれば、実際にはどの位のクランク角度にて

燃焼圧力がピストントップを叩いているか、というのが気になる点ですよね。

これは、実際にはピストンスピード、すなわちクランクの回る速さ=エンジン回転数によっても異なっては

来るのですが、一つの例えとして「ノーマルエンジンでピークが7000rpm程度で出ている」といった

条件とし、7000rpm/BTDC17°といった点火時期だと仮定します。

もちろん圧縮比もノーマル、チャンバーもノーマルの至極一般的なものとします。


で、実際に燃焼圧力がピストンを叩いているクランク角度としては…

おおむねですが、「ATDC12°」程度になっているのでは、と、限定的条件ではありますが私は

そう分析しています。


これは、実際の実験と言いますか点火時期を変更してみてやればある程度分かるのですが…条件に

よっても変化があるので定番的なノーマルエンジンとしての変化具合を記してみましょう。

ちなみに、条件としては「2st単気筒ノーマルエンジン、ピークパワー7000rpm程度、ボア径40〜50φ程度」の

構成だとお考え下さい。


※AF18系ノーマルエンジン

・ノーマル時=BTDC17°で着火→ATDC12°で圧力波がピストンを叩く→ノーマル状態

・3°進角でBTDC20°で着火→ATDC9°で圧力波がピストンを叩く→エンジン音が歯切れよくなりパワーUP

・9°進角でBTDC26°で着火→ATDC3°で圧力波がピストンを叩く→異音発生+パワー低下でやばそう


で、もういっちょ例を出しますと


※3YK-JOG系&ライブDio系ノーマルエンジン (点火時期は双方共ノーマルでBTDC14°ほぼ固定)

・ノーマル時=BTDC14°で着火→ATDC15°で圧力波がピストンを叩く→ノーマル状態

・6°進角でBTDC20°で着火→ATDC9°で圧力波がピストンを叩く→エンジン音が歯切れよくなりパワーUP

・12°進角でBTDC26°で着火→ATDC3°で圧力波がピストンを叩く→異音発生+パワー低下でやばそう


とまあ、ボア径39〜40φにて混合気充填効率はノーマル、ピストンスピードは7000rpm程度にて

ピークパワーの出ている3車種を例に出してみました。

DioとJOGでは違うんじゃ?と思われるかもしれませんが、実際には点火時期を色々と変更して行った場合、

ノーマル風味でもそこそこのチューニングエンジンでも、


「過剰進角させておかしくなってくる」点火時期というものはさほど大差ない


んですよ。


実際には7000rpm時にBTDC25°オーバーまでも進角させてしまうと、ノーマルエンジンであれば一発でボン、と

いう事にはまずなりませんが、明らかにエンジン音が悪くなってきてパワーの出方自体も低下してきます。

プラグも焼け気味になり、いかにも危なげな雰囲気がひしひしと伝わってきますね。


そこまで行くといくらなんでもやりすぎだ、といった事は実際に体感もしないと分かりづらいのですが、これは

さすがにエンジンを壊す覚悟での経験も必要である、といった部分になります。

…この辺は文章のみでは分かりづらいと思いますので、是非ご自身にて紙に円を書いたり紙で扇形を

作ったりして、クランク角度や点火時期の「角度」のイメージをこしらえられると宜しいかと思いますよ。


で、上記の点火時期変更の場合だと、どのエンジンも7000rpm/BTDC20°程度で点火させていますが、

何度も言いますがこれはあくまで「ノーマルエンジン+7000rpmがピークパワー」であるといった限定条件で

あり、仮に圧縮比をUPさせるとかビッグキャブを付けるとかして、混合気の充填効率を高めてやった場合だと

当然のごとく燃焼圧力波の速度は速くなります


そういった場合だと、理論上は点火時期は当然遅らせてやった方が良いのですが…実際はですね、よっぽど

高効率な混合気充填効率を与えない限り、そこまで点火時期という物は激変させなくても良いんですよ。

多少速くなった燃焼圧力波の速度でも、ピストントップを叩くまでの速度、いや時間というものを稼げますので。

なので、前コンテンツでも書いた様に、エンジン仕様やピーク回転域の違いによって、ある程度ベターな

点火時期より「点火時期セットが10°も20°も異なる」という事はまずありえないんです。

そんな事が起こりえるのであれば根本的にエンジンの作り方がおかしい証拠にしかなりませんので…


大昔のレーサーエンジンでは点火時期は上記のDioやJOGの例の様に、「ピークパワーの出る回転域に

対して決め打ちし、他の回転域も同一点火時期」という事が基準だった様ですが、今日でもそれなりの

エンジンチューンでの実際の運用に対してはそれでもさほど困らないのですよね(笑


これ、ちょっと難しい話になるので詳細は割愛しますが、エンジンの基本として


混合気の充填効率の大小とは別の話で

ピストンスピードそのものが上がってきても

混合気の燃焼圧力波の速度は速くなっていく


という事があったりします。


混合気の燃え広がる速さ、というものは正確には「火炎伝播速度」といって、これは混合気がシリンダー内に

吸入される速度と、混合気が燃焼して発生する圧力波の速度の、「双方を足したスピード」になるんですよ。

ややこしいのでコンテンツ内では「燃焼速度」で通していますが、実際にはそういった定義になっています。


すなわち、点火時期を進角させなくとも、高回転域では燃焼圧力波の速度が極端に足らない訳では無いとも

言えるでしょう。

が、重ねて言いますがこれはあくまで


そのエンジンの「ピークパワーの出る回転域」に対し


ある程度適正な点火時期が設定されている場合に限る


といった事もお忘れ無き様にお願いしますね。

上記の混合気充填効率UPによる燃焼圧力波の速度UPも含め、ノーマルエンジンのノーマル点火時期に

おいて、「エンジン回転数が高くなれば燃焼圧力波の速度が上がり、ピストントップへの到達が間に合うので

点火時期をいじくらなくても良い」という訳ではありませんし、「多少チューンして同一回転域での混合気の

充填効率を上げたから燃焼圧力波の速度も上がるのでOK」という訳でも無いのでよろしくです。


…その位、「ノーマル点火時期」という物はエンジン効率に対して遅すぎる場合も多い、という事ですね。

ぶっちゃけるとノーマルエンジン+ノーマルセットに対しても全然足りてないし間に合って無いんですよ(笑

(※もちろん車種にもよりますが、そんな適正値に近い位まで効率良くしている車両ってあまり無いです)

ノーマルエンジンからでは多少圧縮比を上げようが、排気ポートタイミングを変更せず横に拡大しようが、

その程度の事では燃焼圧力波の速度を「大きく」変化させる事は難しいので。


実際に、Dioのノーマルエンジンを圧縮比を8:1程度にして排気ポート弦長のみをボア径の70%にした所で

点火時期がノーマルのBTDC17°でバッチリか、といえばそうでは無いと思えますし、BTDC20°程度まで

進角させてやってもそれがいきなりぶっ壊れる、なんて事はまずありませんしね。


…ただし、いくらノーマルセットというものに「余裕」があるとはいえ、これは長年メンテせずに乗り続けて

ピストントップにカーボンが溜まりプレイグニッションを誘発したり、排気ポート通路上部にカーボンが堆積して

しまい、圧縮比が上がってしまったりする事を「加味した上での余裕」である、と言う事も忘れてはいけません。

ノーマル設定の点火時期はパワー効率に対しては100点満点ではありませんが、「何の為の余裕」が

存在しているのかという事です。


という訳で、点火時期セッティングにおいて一番大切なのは


一律固定点火時期のCDIでも、各回転域に対して点火時期変化のあるCDIでも


まずはピークパワーの出ている回転域に対して良好な点火時期をセットする


という事になります。

…全回転域に対して一律点火時期ではないCDIの場合は、当然のごとく点火時期が「何回転で何度」に

なっているのかを最初にきちんと計測、把握していないと駄目な理由もここにありますよ。

その上、点火時期が大きく動いているのかほぼ固定なのかも実際に測ってみないと分からないですしね。


とまあ、ノーマル車においてのピークパワー発生回転数とノーマルCDIての固定点火時期を一例として

出しましたが、実際には7000rpmピークでも10000rpmピークでも、それなりの混合気充填効率を持ち

一般的な40〜50φ程度のボア径のエンジンであるならば、無難な所で「BTDC20°前後」の点火時期で

ベターな所かな、と私は分析していますよ。

当然、これはボア径が大きくなったりすれば多少は変化すべきものですし、絶対的な数値ではなく

一つの目安、として捉えて頂けると幸いです。


あと一つ、これは仮にライブDio+ノーマル点火時期のCDIがベースだとする場合、実際にはBTDC14°程度の

一律固定点火時期ですから、「実際に進角させる角度」となれば、ノーマルとの相対的な比較であれば

BTDC20°に合わせたいなら「6°の全域進角」になる、と言う事もお忘れなき様にお願いしますね。

AF18系エンジンなら「3°進角」でBTDC20°ですが、元々の点火時期自体が異なれば当然の事です。


これも車種や元の点火時期により、BTDC20°を目指す場合でも「ノーマルから○°の進角になる」という物は

異なりますから、圧縮圧力表記ではありませんが「俺の車両ではノーマルから5°進角でぴったりだぜ」というのも

人に聞いてアテになるものではありません。

全く同一構成のエンジンで同一のCDIであれば目安にはなりますが、きちんと点火時期を管理する場合には

前コンテンツの様に、自身のCDIの点火時期を「広い回転域で」測って把握しないと何も始まらない、という事は

ご留意下さい。



・2stエンジンの「パワーの谷」と点火時期の関係


さてさて、相変わらず長くなっていますがここでやっとこさ目次二つ目のお話に入ります。

…連続して読まれている方もおられると思いますが、脳味噌の働きが鈍ってきている場合には無理をせず

また明日に回して読む事もお奨めしますよ。

一気に通しで読んで一発で全て理解出来るなんていう完璧超人の方はなかなかおられないでしょうし(汗


ではまず、表題通り「パワーの谷」という物の定義をご紹介しましょう。

これは2stエンジンでは、体感出来る、出来ないという差はありますがそのエンジン構成上、絶対に

存在するものでして、これが存在しない2stエンジンという物は「基本的には」ありえません。

ごく一部の例外は後述しますが、まずはそのパワーの谷と呼ばれる物を分かりやすい面で解説していきます。


これは、言葉通り「谷」ともいうべきものですから、


エンジンパワーがその「谷」の前後の回転域と相対的に比較して


明確に落ち込んでいるアンダーパワーな回転域


を指します。

なお、これはメインのパワーバンドとなる回転域の「直前」に発生するのが基本となっていますね。

分かりやすくグラフを表記しますが、こんな感じです↓


パワーの「谷」とは



適当なグラフを書きましたが、図の通りメインパワーバンドが約7000rpm程度から9500rpm程度であり、

パワーバンド突入直前に発生するパワーの谷はおおむね6000rpm前後に存在するというエンジンです。

ピークパワーは8000rpm辺りに出ていますが、その前後1000rpm〜程度がほぼ同一の「出力」を発生し

パワーバンドとして有用な状態ですね。

ちょっとオーバー気味には書いてますが、2stエンジンである以上おおむねこういった特性を持っているのが

基本になります。

あ、もちろんこれはパワーバンドの位置する回転域等に関してはエンジンにより千差万別なので、「グラフの形」と

しては基本的にこういうモノである、という事をご了承下さい。


で、今更ではありますが、無段変速のスクーターの場合、このグラフの様なエンジン特性だと、ピークパワーの

出ている8000rpm程度にて一定回転変速を行うのが基本中の基本ですね。

仮にこのパワーの谷である6000rpmで変速する様にWRをセットしてしまうと、無茶苦茶もっさりして加速感なんて

全く無くなってしまいます(笑


その位、明らかなるパワーの無さを感じる部分こそが、「エンジン自体のパワーの谷」になるんですよ。

ただし、これを確認する為には駆動系構成がバッチリ決まっていて劣化も無いのが絶対条件で、そうでないと

いらんトコで変速回転数の落ち込みとかが出てしまい、それをエンジンパワーの谷だと勘違いしてしまう事も

あるので、発進と最大変速後の最高速近辺以外では綺麗に一定回転変速を保てる駆動系構成が必須です。

そういった状態でないと、WRを重くしていって「わざとパワーバンドを外した一定回転変速」を試す事は絶対に

出来なくなってしまいますので、ね。

…今更ではありますが無段変速のスクーターの場合はそれが出来ていないと何も始まらない、というのは

色々な面で出てきますよ。


ちなみに上記のグラフの特性って、ノーマルエンジンに対してそれなりのチャンバーをくっつけた感じをイメージして

いまして、社外品チャンバーだとこういった「パワーバンド直前のパワーの谷」という物はノーマルマフラーに比べ

とても感じやすくなっています。


で、中回転域に幅広いパワーバンドを持ち、谷もあまり無い様な特性のノーマルマフラーというのはですね、

絶対的なパワーはともかくとしても、本来成り立ち得ないパワーバンドの広さと谷の少なさを併せ持つ、素晴らしく

優秀な構造の「チャンバー」でもあるんですよ。


ただし、その特性を犠牲にしてパワーバンド内のパワーを上げる、パワーバンドを高回転側に移行するとなると

犠牲にするものは何か、といった事にもなりますね。

それが「谷の大きさ」であり、「パワーバンドの広さ」なんです。

…2stエンジンの場合、何も犠牲にせずノーマルよりパワーを上げる、なんてのは絶対に不可能なので(笑

(注:特性を全く換えず排気量「だけ」上げたボアアップ仕様なら不可能ではありませんが)


と、話が逸れましたが。

上記のパワーの谷という物、これは何故にパワーバンド域の直前の回転域にのみ大きく発生してしまうのか

それをさらっと解説していきましょう。

で、その前に「パワーバンド」という物に関してちょろっと触れておきますね。

これが理解出来ていないと「谷」の発生する原因も分からなくなってしまうので(汗

まずはこの絵↓をご覧下さい。


パワーバンド=混合気充填効率が最高の状態



ざっとこんな感じですが、基本的にチャンバー内で反転してくる「反射波」というものは速度的には音速で、

これがコンバーコーンで反射されシリンダー内まで帰ってくる「時間」というのは、基本的には

チャンバーの寸法である程度決まってきます。


なので、その反射波が排気ポートから吹きぬけた新気、すなわち未燃焼混合気を上手い具合に掃気ポートが

閉じた瞬間にシリンダー内へ押し戻す「タイミング」というものは、ピストンスピードにより左右される事を

まずご理解下さい。

圧力波、反射波の速度は変わらない、そして排気ポートが開くタイミングも変わる訳はありませんから、

排気ポートから未燃焼混合気が「抜けて」から「帰ってくる」までの時間というものは、エンジン回転数が

高かろうが低かろうがそこまで大差がある物ではありません。


エンジン的にはアイドリングでは2000rpm、MAXでは10000rpmを越える場合もある様な幅のある

ピストンスピードと、チャンバーからの反射波の帰ってくるタイミングが同期した回転域にて初めて、

シリンダー内へは最大の混合気量が詰め込まれるんですよ。


これは上記の図の通り、シリンダー内へ混合気の充填効率が最大となるのは

「ピストンが下死点を過ぎ、掃気ポートを塞いだ瞬間」

となります。

BBDC…いや動作的にはABDCですが、BBDCで60°程度がノーマルエンジンでは一般的でしょうね。


要は、シリンダー内に最大量の混合気が詰め込まれる「回転域」、すなわちチャンバーからの反射波に対し、

掃気ポートをある程度塞げるピストンスピードとぴったり同期するのが「パワーバンド回転域」であり、他の

回転域だと混合気がチャンバー側にだらだら抜けっぱなしだとか、もしくはピストンが「排気ポート」までも

塞いでしまってから混合気が押し戻されてきている、といった感じなので、2stエンジンは最初に設定された

パワーバンド回転域以外で高パワーを出す事は至難の業、というかその構成上ほぼ不可能になっていますよ。


これはノーマルマフラー仕様で、いくらポートタイミング「だけ」を速く加工してもパワーバンドの移動量には

限界がある、という事と同義です。

「どこの回転域にパワーバンドを作製するか」といった手法、すなわちチャンバーを根本的に変更しないと、

元々7000rpmがピークのエンジン特性を変更して13000rpmでピークを出す、なんてのは不可能なので。


で、そのピストンスピードを分かりやすく表記しますと、上記の図にて仮に先述のグラフの「8000rpm」程度にて

ピストンが掃気ポートを塞いだ瞬間に未燃焼混合気がチャンバーからシリンダー内に戻って来て、最大の

混合気充填効率を得られている、といった状態だとします。

そして、そういった特性のエンジンとチャンバーで、これがエンジン回転数、すなわちピストンスピードが低く

6000rpm程度だったとすればどうなるでしょうか?

反射波の帰ってくるスピードは全く変わらず、ピストンスピード「のみ」遅くなっているのですが…


パワーバンド直前の回転域は新気が逆流している



とまあ、簡単な説明ですがこうなります。

エンジン回転数が低い=ピストンスピードが低いという事なので、この例では本来8000rpm時には掃気ポートが

完全に閉じている、またはそれに近い状態でチャンバーに抜けた混合気がシリンダー内へ帰って来て

いるのですが、それ以下の回転域だと下手すれば掃気ポートが全開のまま混合気がシリンダー内に帰って

来ている状態になり、強烈に混合気の逆流が起こっている回転域が存在している事になります。


場合によってはチャンバーへ抜けた混合気のみならず、先に排出された燃焼済み排気ガスまでシリンダー内に

帰って来てしまう事もあり、この場合だと掃気ポートへの逆流が無くとも燃焼室内への混合気の充填効率は

明確に下がっていますね。


よくある「キャブからの吹き返し」も、エンジン内部がこの状態になっている事により、クランクケースから

リードブロックに向けて混合気+圧力が逆流し、キャブレターボアのジェットから吸い上げたガスを「逆方向」に

噴射してしまうのでエアクリ側に向けての噴霧化現象が見られる訳ですね。

…ぶっちゃけるとリードバルブの材質がどうこうと言っても吹き返しを防ぐ手段にはならなかったり。


この「谷」は2stエンジンには必ず存在しますが、これを無くす事は掃気ポートがピストンによる開閉式である事を

辞めるか(そんな事無理ですが)、排気ポートから吐き出される正圧派、チャンバーで発生する反射波の速度を

エンジン回転数に対してフレキシブルに意図的な変更をしてやる、すなわちRCバルブやYPVSの様な可変排気

ポートシステムが無いと絶対に不可能です。

前述の様に、可変排気ポートデバイスの無い2stエンジンである以上は、体感出来る出来ないに関わらず、

この「パワーの谷」は絶対に存在していますよ。

(スクーターの場合、一定回転変速が基本なのでなかなか体感しづらいですが…)


極端な話、排気デバイスというものはパワーバンドが狭く、ピークパワーを極端に狭い回転域に高出力で

まとめる、という2stならではのパワー効率の良いチューンを行った上で、他の回転域でも大きなパワーの谷が

発生せず、扱いやすい特性を持たせる為に存在する、とも言えます。


ちなみに2stスクーターのノーマル車でのノーマルマフラーでこの谷を感じないのは、単純にクラッチインの

回転数より「低い回転域」に谷が発生するような「チャンバー特性とエンジンの構成」だからですが(笑

クラッチイン4000rpm、ピーク7000rpmであれば、パワーバンドとまでは言わないにしても実走行において

問題無く使える回転域はその4000〜7000rpm程度になりますから、「谷」はそれ以前に発生していないと

おかしい、とも言えますね。


これはノーマルマフラーには谷が無いのではなく、「感じられない様に、扱いやすい様に」といったセッティングと

構成が、メーカーの技術力によって高い次元で成されているものだ、という事です。

分かりやすく2st50ccのミッション車だと、NSR50なんかはパワーバンドはノーマルにて9000〜11000rpm位に

存在しますが、これだとパワーバンド以下はスカスカ気味ではありますがそれでも明確に谷を感じてしまい

乗りづらい、という事はありませんよね?

社外チャンバーをくっ付けると大抵はモロに谷が出来ますが、それが出ずにそこそこの高回転高出力型を

実現しているノーマルマフラーってある意味ではすごく優秀なんですよ。


とはいえ、2stスクーターのノーマルマフラー仕様でもポートタイミングを速めていき、パワーバンド全体を

「上」にずらせばそれなりに「谷」って体感出来る回転域に出来てきたりするものでもありますが。

本当に「フルノーマル車」ってのはよく出来ているんですよね。


そして、そういった「谷」が出来たとしても、排気量がでかければでかい程に誤魔化しが効かせます。

「おかま」がでかけりゃシリンダー内に多少排気ガスが混じろうが吹き返しが出ようが、フレッシュな

混合気そのものの絶対量は多いので、ピーキーな特性にしても「谷」の部分が全く加速出来ない程の

アンダーパワーにはなりづらい、という事も付け加えさせて頂きますね。


とまあ、ついでに「パワーバンド直前の谷」の解説にまで及んでしまいましたが、ここからやっと本題で、

その「谷」がはっきりしているエンジンの場合、点火時期はどうすべきか、といった点についてお話を

進めたいと思います。


とはいえ、これは状況としてはそんなに難しい事でも無いのですが…上記の一例のパワーグラフですが、

これは6000rpm辺りがパワーの谷となっており、文字通りピストンを叩く力がかなり低下してしまっていると

いった状態になっています。

こういった場合、燃焼室内には十分な混合気が入っておらず、それを圧縮しても強い爆発、燃焼力はまず

得られませんよね?もちろんこういった状況だと、混合気が燃え広がる速度もピークパワー時に比べてかなり

「遅く」なってしまっています。

となればある意味答えは簡単で、パワーの谷の回転域においては燃焼速度が極度に遅く、点火時期が

ピークパワー時と同等では、


ピストンがATDC10°どころか

かなり下がった時点で燃焼圧力がピストントップに到達している


という事なんですよね。

…当然、それではただでさえ爆発力&燃焼圧力波の勢いの低いパワーの谷の回転域では高いパワーは

出るはずもありません。


で、それを少しでも補おうとすれば…ここまで読まれた皆さんであればすでにお分かりかと思いますが


パワー谷の発生する回転域「のみ」の


点火時期をある程度速めてやれば良い


と、こうなります。


具体的にはこんな感じ↓になりますが…


パワーの谷部分のみ進角



単純に、パワーの谷だと分析した回転域のみ、燃焼効率の悪さを鑑みて「相対的に」点火時期を進角させている、

といったグラフになります。

8000rpm程度のピークパワー前後はBTDC20°とし、それよりわずかに低いパワーの谷となっている

回転域、6000rpmは5°程進角させてBTDC25°としてその前後の回転域とはなめらかに繋げました。


と、こういった風に点火時期が設定「出来る」のであれば…多少ピーキーになった、すなわちパワーの谷が

体感でも分かってしまう様なエンジンでも、パワーの谷の部分の出力…というかトルクを底上げする事が出来、

体感的には谷を感じなくなったりしますね。


…しかし、これはあくまで理想論であり、これを実際にやろうとすれば点火時期の調整は全域進角ではなく、

各回転域を1000rpmづつでも、独立して自由に点火時期を設定出来なければならないのですが(笑

そんな事は1からCDIを作れる様な環境でもない限り現実的には不可能です_| ̄|○

私も過去にちょっとはそういった方向性に動いた事もあったんですが、正直挫折しましたよ(泣


社外CDIならそういう事を考えているんじゃないのか?と思われる方もおられるかとは思いますが、実際は

以前にDio系の点火時期グラフを公開した通り、アナログ系CDIだとそんな大層な事はやってないんですよ。

点火時期の変化といえば、遅角といっても1°や2°程度動くだけであり、その程度ではパワーの谷が大きく

発生してしまう様なチャンバー装着時とかの補正にはまずなっていません。気休めLVですしね。

デジタル系ならば点火時期が良くも悪くもがっつり変化している物もありますが、これはまた後述します。


とまあ、パワーバンド直前に発生する「パワーの谷」というものの存在とその理由はお分かり頂けたかと

思いますが、実際にはそこを点火時期の変更で100%カバーする事は現実には難しい、という事ですね。

何の解決にもなってねえじゃねえか、と思われる方もおられるかと思いますが、実際にその通…ではなく

これらを把握する事により、実際の調整に役立てる事が出来ますのでね。


ちなみにフルノーマルエンジンにチャンバーとかくっつけて谷が出来た場合なんかは、元々パワーバンド域に

対しても点火時期が遅いのに、谷の部分ではもはやどうにもならない位に遅すぎる、というのは言うまでも

無いかなと思います。


さて、ここまでで2stエンジンのパワーの谷と点火時期の関連性、といった物をご紹介しましたが…

例によって例のごとく、また長くなっているので次の段階、実際の調整等についてはまた次回コンテンツとして

書き連ねようと思います。

毎度引っ張りまくりで申し訳ありませんが、やっぱし点火時期って難しいという事の証明にもなりますね(汗

…いつも言ってますけど、私は難しい事を万人向けに簡単にご説明出来る程には脳味噌の出来は

良くないので、その辺はどうかご容赦下さいな。


そして、今回のまとめとして最後にひとつだけ。

上記のグラフだと、理想の点火時期を得る為には、2stエンジンではパワーバンド直前の回転域に、

ピストンを叩く力ががくっと低下する、「パワーの谷」が存在する事はご説明しました。

その回転域の不味さを少しでもカバーする為には、そのエンジンのパワーの谷の発生回転域にきっちりと

合わせた点火時期の進角が必要になる、といいますかそうするのが理想になります。


レーサーの点火時期とかであれば、アイドリング周辺は意外と点火時期は速く、パワーバンドに向かって

エンジン回転数が上がるにつれ点火時期はどんどん遅角していくという「右肩下がり」の特性を持っている

ことが多いのですが、これもエンジンの着火が安定しない低、中回転域やパワーの谷の部分を少しでも

補ってやろう、とする為の設定なんですよ。

スクーターとか市販車であればそこまでこだわっていませんし、大きなパワーの谷が出る程にはエンジンも

ピーキーなパワーバンド内だけ重視といった特性というか設計にもなっていませんから、そもそもこういった

各回転域に対する大きな点火時期特性の変更そのものが必要なかったりもするんですよね(笑

(さすがに「全体的」には色々と余裕を持たせて点火時期は遅めになってますが)


で、ここで一つ考え方をひねってみて頂きたく思います。

上記のパワーの谷での進角の様に、もしくは右肩下がりの点火時期遅角特性の様に、エンジン回転数が

上がっていくにつれ点火時期が少しでも遅角していく、といった点火時期の特性があった場合、言葉を換えれば



パワーバンド回転域では"それまでの回転域よりも"


点火時期は遅角しなければならない



といった風に言い換える事も出来るんですよ。

前述の通り、基準となる点火時期そのものはピークパワーの出る回転域に対してを最初に決めるのが普通で、

それを決めてしまえばそこから初めて点火時期が「速い&遅い」といった表現が出来るのであり、あくまで

「相対的な表現」である、といった事はご説明した通りです。

谷の部分で点火時期が速めになってるのなら、パワーバンド領域では「それより」遅くて当然ですからね(笑


が、私はこの辺の言葉のアヤこそが、「とにかくパワーバンドでは遅角しろ」みたいな風説を呼んでしまって

いるのでは、と解釈していますね。

なんでもかんでもパワーバンド&高回転遅角、といった「表現」はおかしい、という事ですよ。


別にパワーバンド内だからといって、一般で言われている様に「絶対的に遅い点火時期設定」にしなければ

いけない事なんて無いんですよね。

その絶対的な基準というのが、フルノーマルの点火時期でもエンジンパワーを上げればパワーバンド内の

混合気充填効率の良い回転域では遅角しろ、なんて事になってしまっているフシも見受けられますが、これは

大間違いなんです。

最初に表記しましたが、ノーマルで「絶対的に」かなり遅い点火時期なのに、多少エンジンをチューンして

同一回転域での混合気充填効率が多少上がった所で、「市販車LVのノーマル点火時期から」遅角させねば

ならない程におかしくはならないんですよ。いや、よっぽど無茶をしなけりゃなりえないんですね(笑


だからこそ、言葉のアヤに騙されず、自身の車両の点火時期をきっちり把握し、その上で「ある程度」絶対的な

基準と照らし合わせ、現状のパワーバンド回転域では点火時期が適切なのかどうかを把握する事こそ

良質な点火時期セッティングへの第一歩、となります。


少なくとも、パワーバンド、ピークパワー回転域にてノーマル点火時期より遅角させねばならないといった

状況に陥るとなれば、それは圧縮比が異常に高いとかの他の要因が確実に存在するという証明なんですよ。

この辺も「バランス」ってヤツで、無茶苦茶進角で安定してパワーの出るエンジン構成なんてありえない、とも

言えるんですね。


仮に「俺のエンジンはボア45φで8000rpmがピークで点火時期BTDC30°でばっちりだぜ」ってなるとすれば、

それは他の何かが大きく間違っている部分がある可能性が非常に高い、という事で。

…その場合、圧縮比が異常なまでに低い、チャンバーの効率が極端に悪い、各ポートタイミングが無茶苦茶で

真っ当なシリンダー内への混合気の充填が行われていない等、いくらでも原因が見えてきますね。

(ちなみに適当なロングストローク化等で掃気タイミングが無茶苦茶だとこういう傾向が出やすいです)


そういった、「エンジン構成のバランス」を導き出すのに必要なのが、こんな感じでぐだぐだと書き連ねている

理論であり、それに基づいた経験と立証なのですよ。

なので点火時期の把握、調整にしても一朝一夕には行かないものですが、特にこういう目に見えないものは

本当に厄介で難しいですよね。


ではでは。

次回こそは一応の完結編、実際の調整やベターな点火時期といったものについて触れてみたいと思います。

…しかしこれ程までに基本が分かってないと何も出来ないというモノも面白いですよね。

駆動系に通じるものがあるかな、と思っているのは内緒ですが(笑


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