アクセルOFF時の「シフトアップ」について



さてさて今回はですね、今までも何度か文中にちりばめて来ましたが、これまでは明確な解説を行って

いなかった件、駆動系の「アクセルOFF時のシフトアップ」といった動作ついて解説してみたいと思います。

とはいえ、これだけではちょっと表現として分かりづらい点があるかと思いますので、そのあたりも解説しつつ

お話を進めて行きましょう。



※今回もそれなりに長い為、ページ内リンクの目次を付けておきます。



・「アクセルOFFシフトアップ」とは何か


さて、まずは表題通りのこの現象についてですが、駆動系の「シフトアップ」というのは、

ベルトがせり上がって行き変速比が低下していく状態を指しています。

アクセルを開け、停車状態から加速を行う時に、駆動系にて起こっている一般の加速側動作と

言う事になりますね。


基本的に、加速側の駆動系の動作は下記の様になっています。



加速時には

ドライブ側ベルトがせり上がりベルトかかり径が増大し

ドリブン側ベルトは落ち込んで行きベルトかかり径が減少していく



といった一連の動作が行われていますが、これにより発進時には3.0とかだった変速(減速)比が

2.5、2.0、1.5…といった風に減少していきどんどんハイギヤに移行していきますね。

これについては前回&前々回のコンテンツにてご紹介した「変速比の変化」となります。


と、ここで一つ考えてみて下さい。

アクセルを開けていく加速側はともかく、走行中にアクセルを戻した場合は一体駆動系は

どういった動きを行っていると思われますかね?


これはですね、一概に「アクセルOFF」にした状態といっても、色々な状況がありえるので

加速中のアクセルOFFにて代表的なモノを羅列してみましょう。


1:全開発進の直後にアクセルをOFFにする


2:全開加速中にアクセルをOFFにする


3:最高速状態でアクセルをOFFにする


この3種類に大別してみますね。

なお、ブレーキは一切かけないものとし、アクセルのOFFのみを行った場合であると仮定します。


が、最高速状態は多少話が違いますが、後述しますが発進と加速中もある部分による影響が

大きいだけで、動作の方向性に大きな差がある訳ではありません。

要はこういう「加速中、走行中にアクセルを戻すとどうなるか」と言う事で、これはもう

タイトルがすでにネタバレになってますが、実にタイトル通りで



加速中にアクセルをOFFにした場合


駆動系は「変速が進む方向」、


すなわち「シフトアップ方向」への動作を行っている



と言う事なんですね。



・「アクセルOFFシフトアップ」の動画


ではここで、私が街乗りGダッシュにて撮影した動画がありますのでこちらをご覧下さい。

ちなみにカメラの固定方法に苦心したあげく、ベルトしか見えてねえという始末ではありますが

「上側ベルト」の動きに注目して動画をご覧下さいませ。


アクセルOFFシフトアップ動画その1
・アクセルOFFシフトアップ動画 その1

と、まずはこちらをご覧下さい。

「1:全開発進の直後にアクセルをOFFにする」といった状態ですね。

発進から半クラが終了する瞬間までアクセルを開け、すぐにアクセルをOFFにした状態になります。

アクセルOFF時にはベルトがずるっと移動しているのが分かるかと思いますよ。


…ちとエンジン冷え気味でカブってるのはご愛嬌って事で(汗


とはいえ、これは発進直後なので完全にトルクカムが効いておらず、また規定の全開変速回転数にまでも

達してはいないので、アクセルOFFと同時に一瞬シフトアップした駆動系が、アクセルを開け直さずとも

また元々の最小変速状態へ徐々に戻って来ている事も分かるかと思います。

が、この「一瞬の戻り」は発進直後のアクセルOFFの場合にのみ起こる状況なので…アクセルOFF時の

シフトアップ具合とはまずはこんな感じのモノだ、と言う事の把握としてどうぞ(汗


で、これってちょっとしかベルトは動いてないじゃん、と思われるかもしれませんが、実際に駆動系の

全体を見れるとすれば「ベルトかかり径(変速比)」はかなり変化しているんですよ?

…実験車両が悪いのでベルトの上っ面しか見れずに視覚的には分かりづらくこの辺りはご勘弁頂きたいですが

ヤマハ車とかでやれば分かりやすいと思いますね。


なお、この動画で他にも突っ込んでおくべき点がありますが、アイドリング状態ではベルトはぐわんぐわんと

揺れ動いている時がありますよね?


これこそが、


実際にトルクカムが効く事の出来る「走行負荷」が無い状態では


ベルトの張りがどうこう、と言うモノは語れない


と言う事のひとつの証明でもあります。


この正常動作する駆動系構成だと、走行負荷が無い場合はエンジンかかっていてもベルトだるだるですし、

そこから走行負荷をかけると正常にピンと張っていき、真っ当な仕事をしていますね。

後、クラッチインじゃなくミートの瞬間、これもちと分かりにくくはありますが一瞬ベルトがたるみ気味に

なっているのも見て取れます。

ドライブとドリブンのベルトを張る力同士がほんの一瞬崩れるクラッチミートの瞬間では、ベルトも

ほんのわずかではありますが動作不良になっている、とも解釈出来ますね。


次に、発進からある程度低速での走行中、そして全開加速中からのアクセルOFFですが、こちらは

アクセルOFFシフトアップの直後には、発進直後の様な「変速比の戻り(シフトダウン)」は無いといっても

いい常態になるんですよ。

これの理由はもちろん後述しますが、ヒントは「高回転なWRの遠心力は一瞬では消えない」と言う事です。

ではでは先に動画をどうぞ。


アクセルOFFシフトアップ動画その2 ・アクセルOFFシフトアップ動画 その2


コチラは低速走行を数回繰り返し、停止した後に全開加速に移っています。

ある程度の速度まで来たらアクセルのみOFFにし、その後もう一度アクセルを開け直し、戻した瞬間で終わりです(笑

なんか惜しい所で切れてしまっていますが、先程のクラッチミート直後の状態からのアクセルOFFと、実際の加速時のアクセルOFFの違いをご覧下さいませ。


…私のデジカメの能力では動画は30秒しか連続撮影出来ないので変なトコで切れてるのはご容赦下さい_| ̄|○

が、一応これが「2:全開加速中にアクセルをOFFにする」といった状態になります。


で、だいたい動画の25秒あたりでしょうか?ある程度加速し速度が出ている「加速中」に、アクセルをOFFに

していますが、ここでははっきりと駆動系のシフトアップが見て取れるかと思いますよ。

タコメーター等からの分析では、最大変速の6割程度まで加速していた所から7割程度までシフトアップしていると

いった分析結果になっています。

(一応、最後の最後でもアクセルOFFシフトアップは微妙〜に写っています)


そして、アクセルOFFのシフトアップ後にはアクセルを開け直しているので、ここで初めて「キックダウン」が

行われてシフトダウンへ、つまり変速比が大きくなる方向へと駆動系の動作が行われていますね。

基本ですが、駆動系のキックダウンというのはアクセルを開け直した瞬間に起こっている

いう事が目視で分かると思いますよ。

「アクセルを戻した瞬間にキックダウンしているのではない」と言う事ですが、これは当然でアクセルを

戻した瞬間はシフトアップが行われていますんでね(笑

走行中のアクセルOFFではキックダウンもシフトダウンも行われていないと言う事になります。



次に、もう一つ似た様な状態での動画をどうぞ。


アクセルOFFシフトアップ動画その3 ・アクセルOFFシフトアップ動画 その3


コチラは全開加速中にアクセルOFFといった動作を3回行い、4回目には「少しだけ」アクセルを開け直して戻してます。

で、この「4回目」の動作に着目して頂きたいんですよ。

「アクセルを開け直している量が少ない(全開ではない)」が、「その後のアクセルOFF時のシフトアップが大きい」という状況が起こっていますね。


動画では無茶苦茶分かりづらいと思いますが、実際の動作はそうなってると言う事でひとつ(汗

で、これは何故か、と言いますと…これこそが「トルクカムの溝角度」による「トルクカムの効き」の違いが

加速側ではなく、アクセルOFFのシフトアップ量に影響していると言う事なんですよ。


動画内では、4回目のアクセルOFF/ONを行っている時は、それまでより多少速度を下げた上での

アクセルOFF/ONを行っていますが、ここにミソがあります。

この実験時に使っているトルクカムは「45→60°溝」でして、この4回目のアクセル操作は「45°溝」の

部分で行っているのですが、これについては後述しますのでそれまでに何故そうなるのかの理論を

考えてみると面白いかと思いますよ。

ちなみに、他のアクセルOFFは全て60°溝部分にて行っています。

(溝角度に感してはクレアカムと角度こそ同じものの、他の部分で大きな相違があるモノを使ってますが

さすがにこれは詳細は非公開と言う事でご容赦下さい)


後…「3」の最高速状態からのアクセルOFFなんですが、これは私の機材では撮影不可能でした_| ̄|○

どうあってもカメラのマウントや能力等の関係でまともな動画が取れなかったので、これについては後に

理屈で捕捉しますのでそれでご勘弁をば(汗


・何故アクセルOFF時に駆動系がシフトアップするのか


さてさて、次に上記動画でも判明している様な、アクセルOFF時のシフトアップ現象という物が

何故に起こりえるのかをご説明していきます。

また以前と重複しますが、ここでも以前のコンテンツにある内容、そしてベルトを「張る力」と「引く力」を

混同しているとワケが分からなくなるので、性急な理解は避けてじっくりとお読み下さいませ。


ではまずは、いつもながらですが下記の絵をご覧下さい。

「加速中」の駆動系の動作と力関係を記してみました。


加速中の力関係



この様に、加速側変速では


・ドライブ側でベルトを張る力=WRの遠心力 (重量&回転半径&回転数)

・ドライブ側でベルトを引く力=クランク軸トルク

・ドリブン側でベルトを張る力=「引かれている」トルクカムとセンタースプリング反力


と、おおまかにはこの3つの力関係が存在します。

実際にはWRガイドの角度やランプ角度により、WRの遠心力自体がドライブ側でベルトを張る力に

反映される効率も変わってきますが、これらはとりあえず置いておかないと頭が混乱します(汗

今の論点はそこではないので…


で、絵の通り、ベルトを張る為にWRには多大な遠心力が掛かっていますが、これが大前提で

「プーリー外側に動き続けようとするWR」が常に存在する、という事です。

もちろん、アクセルが一定での巡航時でも、WRの遠心力はドリブン側でベルトを張る力とバランスが

取れた状態で釣り合っている「程度」にはプーリー&ランプに掛かっていますよ。


さて、ここでアクセルをOFFにすると…

各部の力関係はこうなります↓


大事なのはWRの遠心力



お分かりでしょうか?

加速中にアクセルをOFFにしたからといって、エンジン回転数ってのはいきなり0になる訳では

ありませんよね。

したがって、WRに掛かっている遠心力はアクセルOFFでも持続するんです。


となれば、ベルトを「引く力」もエンジン回転数が0では無いのでそれなりにはあるワケですが、

これはある意味惰性で引かれている状態なので、トルクカムの効きはほとんど発生しません。

なので、自動的にドリブン側でベルトを張る力はセンタースプリング反力のみとなり、ベルトを

「張り切れず」に、WRが外側へ飛び出してしまうんですよ。


こうなればもうプーリーはシフトアップ方向へ移動するしかなくなり、結果的に最低限度センタースプリングの

反力にてベルトを「張らせつつ」、変速比減少方向へ「シフトアップ」してしまうんです。


簡単に言いますと、WRが外に飛び出そうとする力を抑えていたトルクカムの効きがほぼ0になるので

WRが遠慮無く飛び出してしまう、と言う事ですね(笑


後、ちょっと捕捉ですが最高速時にアクセルOFFを行った場合は、基本的に最大変速状態なので

それ以上のシフトアップは無い…と思われるかもしれませんが意外とあったりします(汗

無茶なハイスピードプーリーを入れたりしている場合、実走行では使い切れていない所までシフトアップが

起こってしまって、ヘタをするとベルトがプーリーから飛び出しているなんて事も現実としてあるんですよ。


これが、目視でプーリーのベルト摺動面にマジックで線を引いてもある程度の目安にしかならない理由で、

プーリースライド量等を計算していけばすぐに分かるかと思いますが、実際のベルトかかり径ってのは

目視でプーリーを見る程には使っていない場合がほとんどなんです。


これは加速時でも同義で、加速中にアクセルをOFFにしてブレーキかけて停止しても、実際にプーリーを

使っている「範囲」というのは「アクセルOFFシフトアップが原因」と言う事がザラにありますので。

マジックで引いた線が結構外側まで消えていても、実際の走行ではそこまで使っている訳ではなく、

アクセルOFFシフトアップで本来使ったトコより大きくマジック線が消えてるだけ、と言う事ですね。

これを勘違いするな、というのはちょっと難しい事ではありますが、そういった事も現象として起きているのが

「駆動系」という死ぬほど難しいモノなのだ、と認識して頂ければと思います。



・アクセルOFF時のシフトアップ「量」の判断


では次に、この「アクセルOFFシフトアップ」ってのは、一体どの位行われているモノなのか、といった

点についてご説明したく思います。

そんな事どうやったら分かるんだよ!と思われるかとは思いますが、これはちゃんと解明する方法が

存在するんですよ。

が、これは前回や前前回のコンテンツの、「ベルトかかり径から導き出される変速比」と、「駆動系の

ユニットスライド量」を、ドライブ&ドリブン双方共に把握し、なおかつデータとしていないと全く分かりませんから

ここだけ読んではい把握、ってワケには行きませんので宜しくです。


ではまず、私の実験車両である街乗りGダッシュのデータをば。


・ドライブ&ドリブン側ベルトかかり径 40φ&112φ 最大変速(減速)比 「3.000」

・全開加速時の変速回転数 「8500rpm」

・ファイナルギヤ減速比 「9.806」

・リヤタイヤ外周 実走補正込みにて1284.88o (≒0.00128km)


こうなっています。

あ、最大変速比は112÷40=3なワケがありませんが、これは前にご説明した「実ベルトかかり径」を

数値として書いているだけなので、実際の変速比となる「かかり径」では無い事をご理解下さいな。


で、一例として、おおむねですが約50km/h程度にて、アクセルOFFを行ったとします。

だいたい上の動画でもそんなもんなので、これを基準としますね。


ではまず、「8500rpmで50km/h出ている」という状態、この状態であれば変速比は

いくつになっているのかを求める事が第一になります。

これが分からないと何も始まりませんので…


ざっと算数LVの計算式に当てはめますと…


(8500x60)÷○÷9.806×0.00128=50

この○を求めるワケなので…

50÷0.00128=39062.5

39062.5×9.806=383046.87

8500x60=510000

510000÷383046.87=「1.3314297」


って事で、50km/h出ている時の駆動系減速(変速)比は1.331になっています。

ベルトかかり径は62φ&82φ程度になりますね。

そして、この状態でのプーリーというかユニットスライド量は約6.5oになってます。

あ、これはあくまで私のGダッシュは、ですが…実際には自分で計算式をこしらえてエクセルさんに

働いて貰ってるのでこんな手計算はやってない事もご了承の程をば(笑


これで「50km/h出ている時の変速比」が出たので、次は実際の走行にて必要なデータがあります。

全開加速時の変速回転数は8500rpm、これは変わりませんが…ここで見るべき点は



アクセルをOFFにした瞬間のエンジン回転数


を把握しなければならないんです。


構造的にはアクセルOFF時にはシフトアップしているので、実際にはベルトの駆動力は100%といわず

かなり0に近い部類になっていますが、これでも実際にはシフトアップした分の回転落ちが存在します。

とはいえこれは簡単な事でタコを見ていれば済みますし、一度落ちた回転数はそんな大幅には

変動しないので簡単に見極める事が出来ますね。


私のGダッシュだと、50km/hまで加速した瞬間にアクセルをOFFにした場合、

7500rpmまで回転落ちが出ています。

…上手い事1000rpm程度のドロップですけどさすがに私ここまでは計算してませ(以下略

で、これであれば、速度ってのはアクセルOFFの「瞬間」だとよく落ちても1km/hや2km/hですから、

50km/hのまま同一と考えますが…その状態において


「7500rpm」のエンジン回転数で


「50km/hの速度」が出ている「変速比」


を求めれば良いワケですね。


(7500x60)÷○÷9.806×0.00128=50

さっきと同じくこの○を求めるワケなので

50÷0.00128=39062.5

39062.5×9.806=383046.87

7500x60=450000

450000÷383046.87=「1.1747909」


となります。


なので、実際には変速(減速)比にて1.331→1.174までシフトアップしている、と言う事になります。

そして、この時点ではドライブ&ドリブンのベルトかかり径は66φ&78φ程度になっています。

プーリースライド量としては約7.5o、アクセルOFF前よりも1oのスライド量増大、ベルトかかり径としては

4φ程度変化している、という結果になりますね。

(※何度も言ってますがこのベルトかかり径は「ベルトの最外周」の計測値ではありませんのでご注意をば)


変速比的に見れば…ここまで変速が進んでいる場合だと、プーリースライド量1oに対する変速比の

「変化率」ってのは意外と少なくなって来ているので、さほど大きな変速比変化にはなっていませんが…

ギヤ比等によって変わりはしますが、原付一種ミッション車のミッション一段分に相当する位

シフトアップが「アクセルOFFで」起こっている、とも言い換えられます。

(※↑実はコレ「トルクカム上級編」への大きなヒントだったり)


これも、動画を撮影したり走行中に目視で駆動系のアクセルOFFシフトアップを「確認」したとしても、

「見た目じゃほとんどシフトアップなんかしてないじゃん」と判断してしまうのは危険で、そのわずかな

「シフトアップ量=ベルトの動き」でも、


「実際に」どれ程の変速比変化が起こっているのか


を分析しないと、分かったつもりになっているだけで実は勘違いしている、といった事もありえますからね。

今回の実験でも、ミッション車だとアクセルOFFで4速が5速になってた、ってなればこれはさすがに無視して

かまわない部類では無いと思いますしね(笑

あ、これはキックダウンがあるから関係ねえ、と思われるかもしれませんが、アクセルOFFの時間が長いと

「ハイギヤード状態であればある程エンジン回転数の降下具合も大きい」と言う点もお忘れなく。


…とはいえ、この「シフトアップ量」が多いのか少ないのかと言われればまた色んな話が絡んできますが、

あまりに「アクセルOFF時の回転落ち」が大きすぎる構成と言うのもよろしくない、というのはお分かり頂けるかと。

私的な数値ではこの程度であれば十分にシフトアップ量は少ない構成なのですが、仮にこれがアクセルOFFで

2000rpmとかドロップする駆動系構成だと、ピーキーなエンジンの場合下手したら再加速出来なくなりますからね。

とはいえ、この現象にはトルクカム溝角度も大きなカギを握っていますが…これはまた後ほど。



なお、多少捕捉しておきますが、このアクセルOFFシフトアップ量と同義で、再加速時のキックダウンに

おいても、上記と同じ様に「再加速した瞬間の速度に見合った変速比」にまでキックダウンが行われます。

もちろん、変速回転数は全開時の規定変速回転数にまで戻るのが基本ですが、構成によっては再加速の

場合は、100〜200rpm程度高くなる事もありますね。

が、これはさすがにもう誤差の範囲ですが、坂道とかで再加速しても8500rpmだった変速回転数が10000rpmに

なったりする事はありえないですし(笑


これらを逆手に取り、「アクセルOFF&ON時」の速度や回転数をデータとして取っていけば、サーキットの

様な所でもどの程度の駆動系構成をこしらえるか、等にまで役立ちます。

これらも単純な話、駆動系ってのはベルトやプーリーを見る限り、速度に対しての変速量というか

そんなトコは一見適当なモノにも見えますが、実際にはかなりきちっとしいて、「ありえない数字」とか

無茶苦茶な速度にはまずならないんですよね。


これまたサービスマニュアルの話にもなりますが、圧縮比ではありませんけれどもメーカーの緒元表に

載っている変速比、「2.850〜0.860」とかいった数値ってどうやって決定しているんだ?って事にもなりますし、

8000rpmで点火カットのリミッターで実際に60km/h程度出た所での点火カットを「設定する」のにしても、

「適当」じゃ絶対に不可能ですし。


なのでギリギリまで詰めようとすればプーリーのスライド量やトルクカム溝の決定、はたまた実際の速度と

変速(減速)比の関係という物がいかに大切かと言う事になります。

それを理解していれば、私のめんどくさい分析や計算にて「得られる物」もお分かり頂けるかと思いますよ。



溝角度の違いによる「トルクカムが効く力」の抜け具合


さてさて。これにてざっと「アクセルOFF時のシフトアップ」という現象については理解されたかと思います。

では、ここではもう少し突っ込んだ解説を行ってみましょう。


まず、アクセルOFFよるシフトアップは、アクセルOFF時にWRの遠心力が残る為に起こっていると言う事が

お分かり頂けたかと思います。

が、動画3の最後にもありますが、状況によりアクセルOFF時には明らかにシフトアップ量が大きいといった

現象もありえるんですよ。

これの原因、というか要因になるのが、表題通りトルクカムの溝角度だったりします。


これはですね、加速側だと溝角度が違っていれば、ベルトかかり径や変速比、ベルトを引くトルクが同一でも

トルクカムの効きである「ベルトを張る力」が異なってくるのはトルクカム中級編でもご説明した通りですが、

実はその「トルクカムの効き」も、アクセルOFFシフトアップについて非常に大きく影響しているんですよ。


…これは細かい事を言い出すとかなり難しくなるので、簡単に絵を書きますがこんな感じです↓

(※絵が使い回しなのでベルトの位置は無視して下さい)


トルクカムの効きによってもアクセルOFF時のシフトアップ具合が変化します



さっきの6.5oストロークで変速比1.3程度という限定的な場合ですが、こういう状態でも溝角度による

「トルクカムの効き」の力には差があるので、実際のアクセルOFF時のシフトアップ、WRがどかーんと

飛び出そうとする力とあいまって、「それまで効き続けていた」トルクカムが「すっぽ抜ける」力も大きく

影響して来るんですね。

(※どちらの溝でも変速比が同じと言う事は、「ベルトを引く力」も同じになっている事も捕捉しておきます)


ちょっと例えが変ですが、輪ゴムを両手で引っ張ってみて、強く引っ張れば引っ張る程に片手を離した時の

反発力は大きいですよね。ベルトの事を言っているのではありませんが「力が抜ける」というのはそういった

意味合いだと解釈して下さいな。


で、動画3の最後のアクセルOFF/ONだと、速度が少し下がっており変速比自体は大きくなっていますが

その反面、アクセルを少ししか開けてないので、トルクカムを効かせる為の「クランク軸トルク」も弱いです。

下手をしたらパワーバンドを外れていると思いますが、そんな状態でも45°溝から「すっぽ抜ける」勢いと

いうのは結構大きい、という事がお分かり頂けるかと。


あくまで計算上では45°溝と60°溝には、「変速比1.3程度」の場合であればトルクカムを効かせる力には

15%程度の差しかありませんが、これが変速比が大きい「2.5」とかの場合だともっと顕著に「力」の差が出ます。

これはトルクカムのピン位置等から、実際にベルトを張る、つまりお皿がベルトを挟む力を算出すれば

判明するのですが、この辺はさすがに公開を控えさせて頂きますね(汗

自分ではそういったトルクカムを効かせる力というモノも把握した上でこういう分析をしていますんで

そのあたりは私を信用して頂きたく思います。



なおおまけの補足で、ホンダのノーマルによくある45→90°溝ですが、これだと45°溝から90°溝に

切り替わる時にシフトアップが起こっている事は周知の事実ですが、それは置いておいても、90°溝と

いうモノは、いくらベルトを引いてもトルクカムが効かないので、実は90°溝に入っている時に

アクセルをOFFにしてもシフトアップはほとんど起こっていないんですよ。

これはノーマルトルクカムを組んでそれなりの速度でアクセルをOFFにし、タコを睨んでいると良く分かります。


で、加速時にその90°溝に入る瞬間も、それまでにベルトを引いている力、すなわちエンジンのトルクが

大きければ大きい程、すっぽ抜けシフトアップ(?)も大きくなるので余計に顕著に落ち込みが出ます。

ノーマル駆動系構成のまま、ピストンをぶっ叩く力=トルクを上げるとモロに出ますが、こういった点では

加速側にこそデメリットがあれど、再加速側では「シフトアップしないがキックダウンも起きない」のですが

ムリクソエンジンのトルクで再加速を持って行ける場合もあったりするんですね(笑

実は、クレアカムの様な物は加速側も大事ですが、減速、再加速においても考える事はあるという事も

大いにあったりしますが、これはかなり難しいので簡単には行きませんね…



45°一直線トルクカムの売り文句に対して


で、次はですね、まーたこれかよと思われる方が多数だとは思いますが(笑

45°一直線やそれに近いトルクカム溝に対してのツッコミを、今回のコンテンツ内容に照らし合わせて

行ってみたいと思います。


とまあ、ココまで読んで頂けた方であれば、何故に45°一直線、いや今回は「最後まで45°一直線」の

溝にデメリットが大きいのか、はすでにお分かりかと思いますが。

そうです、加速特性はプーリー等の特性もふまえ何とか誤魔化すとしても、後半が45°溝だと



どんな状況でも、その状況に応じた


「100%」のトルクカムの効きを発揮してしまい


アクセルOFF時には


常にもれなく「最大限のシフトアップ量」がおまけに付いてくる



って事に他なりません。


これはですね、私が「常識的な駆動系構成の車両」に対し、45°一直線トルクカムをお奨めしないのは

ここにこそ最大の要因があると言っても良いです。

加速だけしか考えないのであればともかく、減速、再加速というのはSS1/32mileでも無い限りは絶対に

必要ですよね?

トータルで考えるとこれにノーマルトルクカム以上のメリットなんてあるのか?って事です。


便宜上、後半溝「も」45°だという表現にしますが、後半45°溝にピンがいる時にアクセルを開け直せば

そこからの強制シフトダウンである「キックダウンを起こす力」は60°溝より確かに大きいですが…

そもそも、それ以前に「60°溝の方がアクセルOFF時のシフトアップ量が少ない」ので、そちらの

方が遥かにメリットが大きいんですよ。


同一速度、同一変速回転数にてのシフトアップ量が多い場合は、「エンジン回転数の落ち」も

同様に大きくなりますからね。

仮に全開加速時に50km/hでアクセルOFFすると…


45° 8500rpm→7000rpm

60° 8500rpm→7500rpm


仮定ですがおおむねこんな感じになるので、もしもパワーバンドが狭かったり、その後のアクセルOFFの

時間が長ければ長い程、エンジン回転数がパワーバンドを外してしまう可能性がどんどん大きくなるんですよ。

なお、私が「可能な限りパワーバンド上限辺りに変速回転数を持って行く事」を奨めるのもこれを防ぐ為の

一つの重要な要因です。

多少のシフトアップが起こったりアクセルOFFの時間が長く回転下降が起こっても、それに対してパワーバンドの

下限から外れにくい事にもなりますからね。


なので、いくら「キックダウンさせる力」が優れていても、再加速の時点でエンジン回転数が大きくパワーバンドを

外れている事になってしまっては、全くもって意味がありません。

「アクセルOFF時のシフトアップが大きい」というのはつまりはそう言う事なんですね。


「キックダウンさせる力が強い溝角度」でも、すでにエンジン回転数がパワーバンドを外れていれば、

ノーマルマフラーやパワーバンドの余程広いチューンで無い限りは再加速はもたつき気味になります。

特に、チャンバー車だとアクセルOFF時にエンジン回転数が「パワーバンド直前の谷」に入ってしまった場合

全くもって立ち上がれなくなってしまうんです。(ピーキーなエンジンでサーキットの極低速コーナー等)

なお人間がアクセルをOFFにしている時間が多くても同意で、仮にアクセルOFF時には7000rpmにて

パワーバンドの下限ギリギリだったのがすぐに6000rpm程度まで落ちてしまっては、余計に鋭い再加速は

難しくなってしまう事は想像出来るかと思います。


で、強力なキックダウンを生み出すというのは…それだけトルクカムでベルトを張る(挟む力)を

強くした上で再加速している事なので、毎度毎度それを行っていればこれも「タレ」の原因の一環に

なっていますよ。


これも、「大きくシフトアップしてしまった駆動系を強力にキックダウンさせる」のではなく、

「元々シフトアップが起こりづらい様にする」のが何より先決であり、

合理的な手法になるんですよ。

当然、いつも言っている私個人の基本理念とも合致してたりします。

「起こってしまう事に対して対処療法を施すのではなく、ハナからそれが起こらない様にする」

言う事ですね。



で、タイトル通り「売り文句」に対しては…


アクセルを開け直した時の


「キックダウン」は強いかもしれないが


アクセルをOFFにした時の


「シフトアップ」はかなり大きいのでは


というツッコミになると言う事です。


もちろん、これもパワーがあってファイナルがハイギヤなニ種チューン車とかだと、下手をすれば

一般的な巡航速度域だと、変速比自体は1.8とか1.5とかであまり低下していない状態で「アクセルOFF」に

する事が多いはずです。


となれば、トルクカム自体の効きも変速比が大きい為に余計に強いですし、そこからすっぽ抜ける

度合い、というのはかなり大きくなっているというのは簡単に想像出来ますね。

また一例を出しますがV100なんかその最たる例で、ハイギヤすぎるファイナルギヤとスズキ特有の

45°(実際は47°位ですが)一直線トルクカム、そしてノーマルでは物理的にかなり重く設定された

WRもあいまって、アクセルOFF時の回転変動はかなり大きく、再加速においてはエンジン自体の

パワーバンドがある程度「下」に広い事に大きく助けられている面がモロに見えてしまっていますんで。

私の知る限りではですが、かなりまずい構成であると分析しています>V100駆動系



で、ここまで読まれたなら「ん?それなら60°一直線溝でいいんじゃねえの?」って思われる方も

多数おられると思いますが。

別に、それで走れるのであればそれでも良いと思うんですよ。少なくとも発進時のトルクカムの効きの

弱ささえカバー出来ればあまり致命的な問題は無く、汎用性のある物になりますからね。


が、前半溝が60°の場合、あまりパワーの無いエンジンや極端に重い車体等だと、あからさまに

発進〜変速中盤までのトルクカムの効きが不足する傾向にもなりがちなんですが、これは使い方次第です。

パワーがあって大抵が前半溝を常用するニ種ハイチューン車とかならかなり有用だと思えたりもしますね。


が、アンダーパワーであればセンタースプリングを強化しないと発進〜中速域が微妙な事にもなりえますし、

そうなった場合は45→60°溝の場合よりも、高速域でセンタースプリングが強い分、伸び感が失われる

可能性もあります。

加えて、発進時にはアクセルを大きく開けないと満足行く発進にならないという、扱いづらさもそれなりに

出てしまう等のデメリットもありますしあと一つ、ココには書いてないデメリットもあったり。


…とまあ、私はこの辺の理由も含め、理想的なトルクカム溝は一直線でも2段でもない、と言っているのですが

今回もう一つ付け加えるならば、「曲線溝でもない」としておきましょうかね(謎


・最後につまらない補足等


さてさて。今回もいつも通りスーパー長文になってしまいましたが…

いつもコンテンツ書くたびに思うんですけど、最低限度の事だけとは思いつつも、物事を分かりやすく

ご説明する為にはホントに色々書かなければならなくなり、結局長くなるというオチですが_| ̄|○

今回も最後になりましたので、多少つまらない捕捉なんかを行って終わりにしますね。


今回のコンテンツでは、アクセルをOFFにした時の駆動系のシフトアップ、という事について言及して

みましたが、実はこの現象というのは、スクーターがスクーターであるが故の、非常に納得出来る

理屈が詰まってたりします。


それというのはですね…


スクーターには「エンジンブレーキ」が存在しない


と言う事です(笑


これは皆さん、体感で感じられていると思いますが、無段変速車だとエンブレってありませんよね。

だって、上記で長々と説明した通り、アクセルOFF時には「シフトアップ」している上にエンジン回転数が

落ちているのですから、物理的に不可能ですがシフトアップ時に仮にトルクカムが効いていたとしても

エンジンブレーキが起こるワケが無いんですよ。

そもそも、アクセルOFF時にはベルト自体100%きっちり張られている訳では無いので、エンジン回転数の

低下をリヤタイヤに伝える事自体が出来ないんです。


と言いますか、ミッション車で言うとアクセルOFFの瞬間に、クラッチを切ってギヤをひとつ上げて素早く

クラッチを繋いでいるといった一連の動作を一瞬で行っている様な「感じ」ですからね。

…別に入るならばクラッチ切らずにギヤ一段上げても良いですが(笑

そうすると、アクセルOFF時にはぐ〜っと減速するのではなく、すーっと前に進んで行きそうな気が

しませんか?と言うか確実にそうなります(笑


なので、無段変速のスクーターにはエンジンブレーキは存在しないんです。

ちなみに、ブレーキをかけないアクセルOFF時に、ぐ〜っと減速しているとなればそれは確実にどこかが

おかしい可能性が高いですよ。

ファイナルギヤの回転抵抗が異常に大きくなっていたり、パンクしてたりするとかです(汗


あ、車重がかなり重たい車両だと、極低速時にはエンブレの「様な減速感」も出るかもしれませんが、

それは重量によるモノなのでエンブレとは違うという事もお忘れ無き様に。

そもそも、仮にエンブレが効く「感じがする」としても極低速だとかなり変速比は高いので、思いっきり

前のめりになる位にがくーんとエンブレ効かないとおかしいでしょ?

パワーが無い為に異常なローギヤになってる50ccミッション車の一速なんかでアクセルOFFした時の様な

感覚が、スクーターの発進直後のアクセルOFFで出ますか?とも言えますね。


※とはいっても、「エンジンブレーキ」としての「正確な動作」は完全に0ではないので、スクーターならではの

駆動系構成では「正常なエンジンブレーキは存在しない」と言う事です。


あ、おまけにもういっちょ。

これ、良い機会なので今回ちょっと突っ込んでおこうかと思う件をば。


えーと、駆動系カバーを外して、クランクケースの一部分を見るとですね、ベルトの擦った跡って

付いてますよね?

これ、よく「最大変速時に当たっている」とかってのを見かけるんですが、これは曲解しても絶対に

ありえないと断言出来ますよ、って事で。


最大変速時、ってのは変速比が0.85とかで、ベルトかかり径はドリブン側よりドライブ側の方が

大きくなっている状態って事になるのですが…

だいたいですが写真に線を引いてみました↓


ベルトが当たる所なんてありません



…とまあ、実に分かりやすいかと思いますがこういう事です。

仮に、ベルトかかり径がドライブ:ドリブンで「1:1」でも、最初に掛かっているドリブン側かかり径を

「上回る」状態ってのは物理的にありえないんですよ。

上の写真の線でも、変速比0.85って感じで線を引いたので、「ベルトかかり径」の対比としてもドライブ側が1で

ドリブン側が0.85ってトコですし。


なお、ドライブ側周辺ではなく、ドリブン側の赤矢印の部分であればベルトが当たるかもしれませんが…

それはですね、



トルクカムが効いていない、または効く力が抜けている時に


ベルトが「たわんで」ケース内壁に擦っている



のですよ。

…たわむと言うより暴れているといった方が適切かもしれませんが。


そもそも、ずーっとズリズリとケース内壁にベルト背面が擦っているのならば、ベルトに書いてある

文字なんて一瞬で消え去る位にガリガリに削られないとおかしいですからね。


ドライブ側、ドリブン側共に、周辺ケース内面へのベルト跡と言うのは、たわんだベルトが

当たる事によって付いている傷であり、実際に駆動力を伝えている状態のベルト背面が擦っていると

言う事はありえないんですよ。


上の写真でも、ドリブン側ベルトかかり径は「外周」で112φあるんですが、この状態でドライブ側との

ベルトかかり径が1:1になれば、矢印部でもずーっとベルトが擦るかもしれませんが…

112φですよ?ドライブ側のプーリーで112φなんてありえないでしょ、って事で(笑


そして、ベルトかかり径がその112φになるまで「ドライブ側だけ」大きくなるってのはベルトが数十cmも

伸びない限り物理的に無理ですから…


ちなみに、ベルトがたわむってのは動画2の最初の様な極低速時やアイドリング時等、そして

最大変速時にアクセルOFFにした状態等でしかなりえませんから、そういった時に一瞬だけ

ベルトがたわみ、本来ありえないドライブ/ドリブンでの「ベルトかかり径」になってしまって

ずるっと擦ってしまうんですね。


で…これはあくまで私の推測なのですが、基本的にどの車両メーカーも、ベルト外周面とケース内側の

クリアランスって、一番狭い所ってそれなりに作ってきていますよね?

これってですね、そういった「トルクカムが効いておらず、たわんだベルト」の「たわみ自体」を

ある程度抑制する為にわざとそうしているのではないか、と分析していますよ。


なので、私はベルトが当たるからといってケースを削ったりはしませんし、むしろ削ってしまうと

ベルトがたわんだ時にはそのたわみをさらに増幅させてしまっていると考えていますので…

とはいえこれも妄想ですが、「あえてベルト背面をケースに当たる様にしている設計の意図」となれば

これしか思いつかなかった、と言う事で(笑



そして、この「トルクカムが効かない状態でのベルトのたわみ」を極力抑制するのが…







センタースプリングの真の役目








なのです。(断・言


ココに来てやっとこさこれを言う事が出来てほっとしました(笑

これも私の持論の一つでもありますが、変速回転数に対してセンタースプリングでどうこうってのは基本的に

おかしい、ってのもありますし、ベルトスリップを抑制するのもまずはトルクカムありきでセンタースプリングは

おまけ要素である、と言うのもご理解頂けるかと信じていますよ。


なお、センタースプリングにはアクセルOFFシフトアップを抑制出来るという効果もある程度はありますが、

それを重視してしまうと加速側ではまともに走らないセットになってしまう、というのはもはや解説するまでも

ありませんので割愛させて頂きますね。


とまあ、相変わらずクソ長くなってしまいましたが、アクセルOFFシフトアップというのも意外と

知られていないかなと思いましたので、改めて駆動系の解析の一環としつつご紹介してみました。

もちろん、いつも通りツッコミや反論等は大歓迎ですので是非ご意見お寄せ下さいませ。


…今回も誰が役に立てるんだこのコンテンツって度合いが激増しまくってる感がひしひしと(以下略


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