ちょっとしたメンテナンスとか



2013.6.30追記


さてさて…2年近くこのコーナーを更新していなかった事に気付いて何かネタはないのか、と思い

記録や画像をチェックしながらなんとかネタをひり出してみたのですが…やっぱネタ無いです(笑


PWK28の装着後は、そのパワー感やレスポンス等に基本的にバランスが取れて「しまって」おり、

性能的な物は向上させる欲が出ない、といった感じなので基本的な仕様は何も変わってはいませんが

メンテ的な物もたまには行っているのでそのあたりなんかを適当に記しておきますね。


KN企画製ファン キタコ製ファン(塗装済み)


と、まずはコチラ、クーリングファンなのですが絶版であるキタコ製の物が手に入ったのでさっくりと

交換してみましたよ。

とはいえ、別に冷却効率としては自作60cc&ノーマルマフラー&PWK28程度の仕様で、トップエンドでも

9500rpm行かない具合ならばKN企画製のファンで間に合っていたといえばいたのですが(笑

せっかく手に入ったのと余裕があるに越した事は無いので、なんとなく交換してみました。


と、色はすでに黄色に塗られていますが、塗料缶の中に余ってた10年位前の塗料で塗ったので

適当極まりないという点は置いておいても、元が蛍光ピンクだったのでさすがにそれは色合い的に

ちょっと敬遠したかったという事で(以下略

一応、樹脂のパーツなので簡単には剥がれない様に下地をがっつり擦り込み、2液のサフェーサーを

塗布した上で中研ぎを行い、そこそこ真面目に塗装の段取りは行ったという感じですね。

…ちなみに言うまでもありませんがこういう材質のパーツに缶スプレーぷしゅーだと一瞬で(略


で、上記の2枚の写真を見てもお分かりの通り、KNファンはその外径は微妙に小さいのですが羽が

意外と大きいのと逆羽になっている事もあり結構な風量があったのですが、外径がノーマルと同じで

なおかつ羽が全て逆になっているキタコ製ファンだともっと高効率なのは今更言うまでもありません。

だいぶ昔ですが、「自由研究ライブDio-ZX」のでんぎょ〜氏のサイトで風量比較を行われていましたが

正確な比較には私も当時感動した記憶があったな、と今思い出してみたり…


そういえば最近では、この手のホンダ系クーリングファンの新製品がKN企画より販売されていたり。

私は自分で使った事はありませんが、純正のDJ-1Lの逆羽タイプをそのままコピーした様な形状で

羽の数も多いので、結構悪くは無いのではと私は分析していたりしますよ。

少なくとも、私が今まで使っていた旧型のKN企画品よりは風量は多そうに見受けられますしね。


ファン比較 で、旧KN企画品とキタコ品を並べてみたらこんな感じですね。

並べてみると意外と差が分かりますが、KNの物が意外と効率が良かったのは、羽が逆向きなのもありますが…

その羽の角度がかなり寝ている、といった理由もあるかな、と私は分析していたり。

…これの発売当時、KN企画側の製品紹介では「風量はアップせず軽量なだけ」と謳われていましたが全然そんな事はありませんでした(笑



後、クーリングファンについての余談なのですが…

ライブDio系限定で製品が出ている、デイトナ製の水色のファンってのもありますよね?

あれは羽の向きは純正と同じですが、肉厚を稼ぐ事によってそれなりの風量を稼いでいますがこれは

KNの物ととんとん位だと私は分析していたり。


が、そのデイトナ水色ファン、これはそれなりの長期に渡って使用していると、


昔の赤いのと同じく、爆裂して破損する


といった現象が起こる、といった事をここ数年で何件かの報告を頂いていたりするんすよ…


私はたまたま自分で使ったことは無かったので自分で体験した訳ではありませんが、サーキット仲間の

デイトナ水色ファンも爆裂してしまったのを見た事があり、昔のアレと同等、とまでは行きませんがちと

質的にはイマイチなのでは、と分析しています。


なお、私もそういった現象や報告が気になり、破壊してしまったファンの具合をそれ系統のプラスチックの

整形の専門の方に意見を求めた事があるのですが、結論としては整形時にプラスチックの樹脂が均等に

充填されておらず、一部分の強度が下がっている点から破壊が進むのでは、といった分析を頂いております。

と、以下にその方からの分析メモを転載しますのでご興味ある方はどーぞ。


樹脂整形その1 樹脂整形その2


要は、ファンの真ん中から型に対して樹脂を注入している段階で、ボルト穴となる部分の「向こう側」に

対しての樹脂の回りこみがイマイチな場合があり、それが整形具合の悪さに繋がっているといった分析に

なっていますね。

製法や工法にもよりけりで、樹脂そのものがが回りづらい素材であったりするとこういった現象が起こる事が

あるそうです。

実際、爆裂したファンの場合、ファンの表面を見ても一部だけ樹脂が薄そうになっている部分があったり

表面に線が出ている部分があったりしますから、そういった部分は上手く樹脂が充填されていないと

いう事は目視でも判断が可能だったりするかなと。


昔の赤いのはそういった線とかが表面からは見えづらい材質だったのですが、その材質的な物が破壊に

繋がっていたのは間違いないとしても、柔軟性のある現在の水色ファンの場合だと材質は良いのですが

製法や検品にちと問題があるのでは、と私は分析していますね。

なので、今更ですが私からはデイトナの水色ファン、というモノはちとお奨め出来ない、という事もついでに

記させて頂きます。


…あ、いつも言ってますが私、別にデイトナ全てが嫌いなワケではありませんのでよろしくです(笑

良い物は良い、悪い物は悪いと判断するのが私のスタンスなので。


後、思い出したのでデイトナでひとつ余談ですが、デイトナのボアアップキットなんかだとライブ系の

製品だと私の知る限りでは説明書の中にボアストローク値が「48x39.2」とかって書いてるのを

いっつも不思議に思っているんですよね。

これ、素で間違えているのか実測でそうだと判断しているのかは分からないのですが、ライブDio系の

ストローク値ってサービスマニュアル値では「39.3o」なんですけど(爆

JOG系と混同しているのかどうかは知りませんが、昔からずーっと39.2oの表記なので素で間違ってる

可能性も高いかな、と思っ(以下略


そしてもう一つネタですが、今度はCDIになります。

とはいってもコチラも大した事は無く、今まではキタコかオクムラか分からない様な、ノーマルCDIに

対して「点火リミッターだけを取り除き、点火力や点火時期は同一」といった仕様の物を使っていましたが

その上で点火時期を全域でBTDC20°に設定していたんですね。(※ピックアップ加工進角)


んが、この間たまたま全然関係ないパーツ類を探していると、どこからともなく純正のCDIの新品

発掘されてしまったので、リフレッシュも兼ねて交換するか、という事にあいなりましたよ(笑


純正GK8CDI さくっと変換


…懸命な読者の方であればお分かりかと思いますが、こんなのいつ買っておいたんだ?というのは

いつもながら私が一番疑問に思う点でして(爆

しかもこれ、ライブ系のパーツを探している時に箱の底に転がっていたというオチもあり、品番を見ると

Dioやタクトやジャイロに幅広く使われているAC駆動の純正CDIだったので、こりゃ街乗りGだっしゅには

使えるわという事に(汗


とはいってもこのCDI、点火時期はAF18系フライホイール無加工では定番のBTDC17°になっており

7000rpm程度からは1°遅角するかしないかという純正定番の特性なので、特に性能的な変化が出ると

いったワケではありませんが、実際に交換して走行して見ると排気音の歯切れが良くなる程度には

変化が出たので、やはりCDIの劣化もそれなりにはあったのだな、という事で良いリフレッシュになりました。


この辺りはすでにコンテンツでも記していますが、点火時期が純正と同等で良い、もしくは他の手法で

全域進角を行うのならば、社外品で点火力が弱く、なおかつ点火時期も全く変わっていないCDIってのは

無理に使う必要性は全く無いんですよ。というかデメリットしかありません(笑

特にボアアップ等のエンジンチューンを行っている場合だと、点火力の低下は致命的なパワーロスを

引き起こす事もあり、IGコイルやプラグをケチっている場合はより顕著になりますし、今さら言うまでも

ありませんがかなり始動性も低下しますからねえ…


あ、ノーマルエンジン前提で多少のライトチューンであればそこまでこだわる必要もありませんが、

それなりのエンジン効率を出している場合は気にした方がベターですね。

ちなみに「回転数リミッターのみを外したい」のであれば社外品のポン付け品だとキタコのCDIが一番

安定してベターな点火力がある、というのはどこかで書いた通りです。


そして今回最後は、ちょっとしたトラブルと言いますか劣化の一例をば(笑


継ぎ手に隙間がありました エアクリ部分のキャブとの継ぎ手部分なのですが、さすがにココもそれなりの年数が経ってしまっていまして。

ある日何かアイドリングが高いな、と思っていてふとエアクリを揺すってみたら見事に回転が上がるという(笑

こうなれば原因は明白で、継ぎ手部分の一部がホットメルトから剥がれて隙間が出来ていたというオチでしたよ_| ̄|○

とはいっても少しだけだったので特にヤバいLVではありませんでしたね。



とまあ、最近はあまりエアクリを外す事が無かったので気付かなかったのですが、私はエアクリを掃除したりは

しますが、季節ごとにMJを変更していく様な馬鹿げた事は行わないので余計にチェックが甘かったと(略

半年に一回くらいはキャブも洗いますが、温暖な地域という事もあり季節云々の変更点ってのは適当な

フィーリングでエアスクリューをいじくったりニードル変更したりする位ですしね。

季節変わり程度の温度変化でキャブがおかしくて走れなくなる、なんてのは元々のキャブセットの余裕が

全く無いのと同じで、そんな物はベターなセットとは言えませんので…


あ、ちなみに私、直キャブレーシングマシンでも走行中雨が降ってきた所でいきなりカブって走れないとか

そんなギリギリのセットにはしてませんよ(笑

シビアなのとギリギリなのを履き違えては楽しくもなんともありませんから、ね〜


そしてもういっちょ、これはまだ使ってませんが今後の予定ですね。


交換用JCC43φ なんて事の無い、今使っている自作43φ用の交換ピストンを用意しています、ってだけです(笑

これ、JCCなのにラベルにはルイマって書いてるのは何故?とも思いますがこの手のブツにそんな事を求めていてはいけないので…

シリンダー側の減り具合を計測し、ピストンをマイクロで計測した上でクリアランスが不適切ならばもちろんホーニングに出します。

…とはいっても減っているであろうシリンダーに対してピストンが太すぎる、なんてまず無いと思いますが(汗


ちなみに言うまでもありませんが、私はこの手の安価パーツだと同じ物を買っても同じ寸法になっているか

どうか、という事は測りもせずには信用しないのはいつもの事ですが。

余談ですが、近年は私がボアアップ等の修正等をお手伝いした方々でも、メンテでピストンを交換したいと

いった場合に、同一社外メーカーの同一品番品でもまずシリンダーとのピストンクリアランスを見てくれ、と

依頼される事もあるので、これはこれで良い傾向だなあと勝手に感じていたりしますしね。


…そりゃあ私としても、シリンダー側は使えば少しは減っているのは当然ですから、社外同一品の

ピストンをリペアやメンテで放り込むのならばそんな事気にせずとも許容範囲内であるべき、という

現実を求めたいのですが、それが信用ならんのが今のパーツ業界ですから。

ボアアップキットやシリンダーキットですら、普通に運用したら一発でボン、なんて組み合わせの物が

氾濫しているのは本当にユーザー側にも知識と技量が求められる、という時代だと思いますです。

もちろん私は自分のでも依頼品でも、ピストンクリアランスは適当なままなんて事は絶対ありません。

「性能」ではなく「エンジンとして持ち合わせるべき基本設計」ですらおろそか、そしてそれが同一品でも

安定していない、というのはある意味では嫌がらせの様な具合だなとも思え(以下略



2013.8.12追記


さてさて今回もメンテナンスの件なのですが…今回はフロント廻りと言いますか三つ又です。

最近、このGダッシュ乗ってると違和感、という程ではないのですがなんとなくフロントの動きが本当に

微妙〜におかしい時がある、と感じていたので、フォーク等をチェックはしてみたのですが特に問題は無く、

となれば面倒くさいステム回りか?と思いつつ結構な時間をスルーしてたという(汗


で、私のこの街乗りGダッシュって、もちろん元は中古ですからレストア時にしっかりリフレッシュは行って

いるのですが、実はフレームには「首」の部分にほんのわずかだけ曲がりがあり、首の部分が右に傾いて

いたりするんですよね_| ̄|○

とはいってもこれは通常の走行なら気づく方が難しい位の微細な曲がりなのですが、それに加えて三つ又の

ステムシャフト部分も、現在使っている物はこれまたすごく微妙〜に曲がってまして(笑


レストア時には他の中古品に交換していますが、実はそれもそれなりに曲がっていた事もあってまた

他のストック物を探して入れていたのですが、それも100%正常ではないというオチでして。

基本、Gダッシュは専用品の三つ又なので他の車種の物を流用するとかなりキャスター角等が狂って

しまうので、2台ある部品取り車+αからストック品を取り出したりしてもどれも正常ではなかったという

悲しいオチがあり…その内気にならなくなって放置してたんです(笑


で、今回別にストックしていた三つ又をたまたま発見したので、丁度フロント廻りが気になっていた事もあり

一念発起して三つ又をバラしてみる事にしたんですね。


ベアリングのお皿がゆるゆる(泣 …バラしてみると一目瞭然、ステムベアリングのはまるお皿の部分がステムシャフトに対してゆるゆるになってましたよ(汗

何故かお皿部分まで塗装してあるので、お皿をズラしている事が確認出来ると思いますが、これでも空転していた訳では無かったですね。

とはいえ、これは心理的によろしくないのでストック品のステムに丸ごと交換する方向性ですが(爆



手前がストック品ですがサビ出始めてます で、発見しておいたストック品のステムをさくっと取り出し、塗装しているのにサビが出始めているという事を発見しましたが(汗

…そんな嫌な部分はスルーしつつ、ねじ山をさらい直したりフォークインナーが刺さる部分を調整したりし、それなりに実用出来るハズのLVまで修正しました。

が、こっちの三つ又のお皿にわずかにステムベアリングのタマの圧痕があるのが気になっ(以下略




一応、組む前には色々な道具や家の柱、水平器等を駆使し、使えないLVの曲がりがステムシャフトに

無い事だけは確認しましたが…走ってみないと分かりづらいのが三つ又、ステムシャフトなのでそのまま

組んでみる事にしましたよ。


中身はかなりホコリだらけ そして久々にフロントカウルをはぐってみると…なんともホコリだらけという嫌な状態でして_| ̄|○

開けたら掃除くらいはしていたのですが、最近はとんと開けた記憶が無いのでこれはやむなしですね…

逆にフロントタイヤ廻りのメンテで手が入る部分だけが綺麗なのが余計に哀愁を誘います(泣

ちなみに作業中の写真はこれしかなくてすみませぬ(汗




そういえばこのフロントカウルを外した状態を見てると色々とおかしな点がある事に気付かれる方も

おられるかと思いますが…まず目を引くこの大きいホーン、自作バッテリーレス+痛んだ機械用の

小容量バッテリーではエンジンがかかっていてもノーマルより小さな音しか出ません(爆

私、乗り物に関してはノーマルの「ピー」っていうホーン音って嫌いなのでとりあえず何でも良いので

交換するタチなのですが、この車輌に限っては実用性はあまり無いという(汗

そもそもバッテリーレスのサブである小容量バッテリーが満充電になる程毎日も乗らないので…

サブバッテリーが満足いく電圧に維持出来ないのでDC点火仕様にもしていない、というのが(略


後、アクセルワイヤーはPWK用の青い1本引きが装着されていますが、実はノーマルのワイヤーは

取り外しておらずフロントカウル内に丸めて収めているのでそこも違和感がでかいという(笑


でもって、さくっと三つ又を交換する訳ですがここでコツなんかを少々。

基本的にホンダDio系2stスクーターの場合、ステムシャフトをフレームから抜く時にはハンドル回りを

全てバラしてハンドルバーをステムシャフトから抜かないと、ステムシャフトのダブルナットが緩められず

緩んだとしてもナット自体がステムの上から抜けないのでかなり面倒くさいのですが…

ハンドルロックがステムシャフトに穴のあるタイプの車輌でも、ハンドル廻りををばらさずステムシャフトを

抜くのはちょっとコツが要ったりしますよね。

(※JOG系だとハンドル回りをバラさなくともステムだけ簡単に抜けたりします)


が、全部ハンドル回りをばらさなくとも、リヤブレーキワイヤーの固定やメーターワイヤーの

固定を外し、ハンドル固定ボルトを抜いた上で各部ワイヤーハーネスをハンドルごと上側に

引っ張り上げ、誰かにハンドルを持ってもらっていればステムナットを緩める事も取り外す事も

「なんとか」可能なので、人手がある時にはそういった横着こいた手法も可能ですよ。

(もしくはハンドル部分のみ天井から吊ったりも良いですね)

ただし、それでも充分な作業スペースは出来ないので、ステムナットを緩めながらステムシャフトを

徐々に抜いていく、といったかなりイライラする所があるのでご注意をば(爆


これ、普通に運用してれば三つ又なんてそうそう交換する物ではありませんが、攻める走りをしてると

ちょっとぶつけてわずかに曲がる、なんてザラにあるので結構作業頻度は高かったりしますんで、

自分なりのコツを見つけておかないと交換作業なんてやってられないという…


グリスダンパータイプの車輌なら、フロントぶつけてもまずフォークから曲がっていく事もありますが

強度のあるオイルダンパータイプだとフォークは一切曲がらずステムシャフトがアンダーブラケット側の

根元からぐにっと曲がるのが基本なので、私も新品フォークインナーチューブを買った経験より新品の

三つ又を買った経験の方がはるかに多いという(泣


ヤマハ系のステムナット(上側) でもってもういっちょ、お役立ちネタ…ですらありませんがやり方によっては便利になるアイテムを一つご紹介します。

ステムナットのダブルナットの「上側」に使うナットなのですが、写真の物はヤマハ系の純正品でして、本来はピンスパナで作業する様に溝が入っているワッカ上のナットになりますね。

元々ホンダ系だと薄いナットの為に、薄い二面を掴んで回せる工具が必要になる上、カウル等を外さずに作業を行う場合はとてもやりづらいので私はこれに交換します。

ちなみに純正品番は「2E9-23454-00」になりますね。


ねじピッチも径もホンダステムシャフトのねじ山にぴったりですから、バラす機会があればこちらに変更して

おくと作業性が少し上がりますよ。

これだと下側のナットをある程度締め込んだ後でも、上側のナットのみを叩いて回す事が出来ますし、

掴む工具を2本使った上で、ステムベアリングの収まり具合を調整するよりは叩いた方がやりやすいので

私はこれを使っていますね。

ステムシャフトやお皿、ベアリング等の初期馴染みが出来た後ではダブルナットが多少緩んでいる、と

いう事もさほど珍しくありませんが、そういった場合にもかなり作業の手間が軽減されるので。


…単純にヤマハスクーターで同一作業を行うのとホンダスクーターで同一作業を行うのとではどっちが

作業ロスが少なかったか、を若かりし頃に体験しただけ、とも言いますが(笑

とはいってもこんな所を頻繁にばらして組んで、なんて事をされる方はなかなかおられないでしょうが

参考までにどうぞ。


それとおまけネタでもう一つ、三つ又にフォークインナーを締め付ける取り付けボルト、この4本のボルトの内

「外側」になってフォークインナーに近い方のボルトって、取り付け方が悪いとインナーに当たってぐいぐいと

ボルトのねじ山を破壊しながら進んでいくので注意ですね。

インナーの取り付けにおいては切り欠き部分をちゃんとアンダーブラケット側を通るボルトに合わせてやり

ムリヤリにねじ込まない様にすべきです。

再利用する場合だと、ボルトを「元々入っていた所に戻す」方がベターでしょう。

劣化した中古車だとここがやられている上に固着しててかなり嫌な状態になっていることもあんまし珍しく

無いですし、左右のフォークを仮組みした後はアクスルシャフトを通し、真っ直ぐ通る位置にインナーを

調整して、左右の高さの差が無い様にするのも基本ですね。


なお、ホイールやメーターギヤ、カラーをはめこむ時も左右のフォークの内側の組み幅に対して全然

ホイール類がはまらないとか、逆に隙間があるとかだとフォークのインナーチューブが曲がっているか

三つ又のアンダーブラケットがよじれている、という可能性が高いので、ホイール類がフォークの組み幅に

ぴたっとはまらない場合は補正するか他のパーツを正常化すべきですよ。

トリプルツリー形状ではない一般スクーターのステム回りでも、フォーク自体が前から見てハの字や

逆ハの字になっている状態だと、ホイールを取り付けてもフォークのストロークの動作がかなり悪くなって

しまいますんでこのあたりって実はかなり大切でシビアだったり…

(…言うまでもありませんが元々ガタのあるグリスダンパー車だとそんな事気にしなくてもOKです)


と、いつも通り話がぶっ飛びましたが、とりあえず三つ又回りを交換した、という事で(笑

でもって早速試乗してみると…これがなんとも、コーナーリングにおいては元の三つ又よりもかなり

フロントの動きが良く、とっても乗りやすくなってしまったんですね。

という事は元の三つ又はベアリングの受け皿はともかくステムシャフトもおかしかった、という事が

体感で分かる位だった、という事なので…こういうのは換えてみた後に実感する事も多いのですが

ステムシャフトのわずかな曲がり、というのは「正常な」同一仕様の同一車種と乗り比べでもしない限り

分かりづらいものなんですよ(泣


そして、気持ちよく試乗しながらフロントの動きを堪能しつつ、最高速近辺からフルブレーキングを

ぶちかましてみたりしていたのですが…なんとなくですがフロントブレーキを目一杯握った直後に



フロントタイヤ近辺から



「しゃああああぁあ」という



異音が聞こえている罠



…同時にキャリパースライドピンとかもグリスアップしたのですが、キャリパーかパッドの戻りでも

おかしくなってるのか?と思いましたがブレーキ系統の減速感ではありません。

次に今度はある程度だけスピードを出してフルブレーキングすると、また同じ音が聞こえてきます…

こりゃあ何かおかしい、と思い道端にGだっしゅを止めて腹ばいになってフロント廻りを下から眺めて

みた所…



新しいダクト新設(笑




見事に



フロントタイヤが



アンダーカウルを削ってる罠



えっと、以前は3.50のフロントタイヤでも、フルブレーキング時にはココのアンダーカウルにはわずかに

タイヤが擦っているだけだったんですよね。

それが、三つ又を交換したのみでここまでブレーキング時にタイヤが当たる様になったという事は…

どう考えても交換した三つ又が正常ではないという可能性が_| ̄|○


…ベアリングのお皿に厚痕があった、という嫌な予感がココに来て的中してしまいました(笑

わずかながら「突いて」ますねこのステムシャフト。とはいっても元のよりも乗りやすいというのが

煮えきりませんが、とりあえず画像比較なんかをば。


三つ又交換前 三つ又交換後


と、同じポジションの写真では無いので分かりづらいかと思いますが、右が交換後ですが目視では約

5o程度はタイヤがアンダーカウル側に寄ってます(笑

これじゃあフルボトム時にカウルに擦ってもしょうがないな、という事で_| ̄|○


とはいえ、「突いてる」可能性があるとはいえ、かなり真っ直ぐ突いているっぽく直進安定性は交換後の

三つ又の方が上ですから、キャスター角が立ったのにもかかわらず安定するという事であればこれは

元の三つ又は思った以上にへんちくりんな方向に曲がってた可能性が浮上してくるという(汗

以前にもどこかで書きましたが、私はリヤの3.50でもどこかに多少擦る位なら我慢して履く、という

スタンスなので、さすがにフロントの3.50が擦るとは思いませんでしたがもうこれはこれで良し、と

いう事でしばらくこのまま乗ってみる事にしますよ。

…昔、FNを真面目にやってた頃なんかはこういった風に真っ直ぐわずかに突いている三つ又をわざわざ

使ってた事もあったりしましたしね(笑


欲を言うなれば、あと一台バラしてない部品取り車があるので、その三つ又が正常であればまだ希望は

持てるのですが、正常である可能性の方が低い上、形のある部品取り車からパーツを取るとそっちの

車輌にもパーツを戻してやって形は維持しておかないといけないので…とっても面倒くさいです_| ̄|○

流用でライブ系とかの三つ又でも良いのですが、15oもフロントが下がる上に移植先がGダッシュだと

アンダーブラケット部分の形状差でインナーカウルにフォークの上っ面が当たるので問題あるんですよね…

しかもここから15oもフロント下がるとただでさえクイックなのにクイック過ぎて乗れなくなるかなとも(汗


あ、フロントの3.50をやめりゃいいじゃん、というのは今のところ考えてませ(以下略


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